新都市伝説創作の部屋 **幻の駅**
大迫力!世界の都市伝説大百科 [ 朝里樹 ]価格:1,430円(税込、送料無料) (2023/10/19時点) 楽天で購入 **幻の駅**昭和の初め、ある田舎の駅で奇妙なことが起こりました。それは、「0時44分発の幻の列車」として近隣の住民の間で囁かれていた都市伝説です。田舎の小さな駅であるため、夜は21時を過ぎるともう列車は来ない。しかし、ある夜、夜中の12時44分に、本来存在しないはずの列車が駅に停車したという。列車自体は普通の旅客列車と変わりない外見であったが、中には一人も乗客がいないという。不思議に思った地元の住民が何人か、この列車に乗ることを試みました。ところが、扉が開くことはなく、何分か停車した後、列車は再び動き出して、闇の中へと消えていったという。その後、この現象は毎月の新月の夜に繰り返されるようになった。乗ることのできない「幻の列車」は、地元では都市伝説として語り継がれていた。ある日、駅の近くに住む老人が、その「幻の列車」の正体について語った。昔、戦争で多くの兵士が徴兵され、その多くがこの駅から出発していった。その日、0時44分の列車で出発した兵士たちは、戦場で命を落とし、帰ってこられなかったのだという。彼らの魂が、家族や故郷への未練から、この列車に乗り、毎月の新月に帰郷しようとしているのだと言うのだ。それを聞いた町の住民は、毎月新月の夜、駅で待ち受け、亡くなった兵士たちの魂を迎え入れる儀式を行うようになった。そして、ある日を境に、「0時44分発の幻の列車」は姿を消したという。今でも、その駅の近くには、戦争で亡くなった兵士たちの慰霊碑が建てられており、毎年新月の夜には多くの人々が集まり、祈りを捧げているという。