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キル/ビル vol2
こんな映画を観た。 九州で最初の試写会をみせてもらいました。 とにかく前作のノリとは違った作品になってます。前作のよううなチャンバラアクションを期待していくと、思いっきりはずすことになりますので、ご注意下さい。「パルプ・フィクション」「ジャッキー・ブラウン」のテイストに近いので、むしろタランティーノ本来の持ち味に近い作りになっていると思います。 もちろんアクション・シーンもいくつかありますが、どちらかと言うとセリフの面白さや役者の演技を楽しむタイプの映画です。マイケル・マドセン演じるバドの困ったような赤ん坊のような笑顔が素敵でした。(師範代と同じダメ男の役だからシンクロしたか?) 前作が「東映ヤクザ映画」に捧げられたオマージュ満載だったように、今回は「香港映画」「マカロニ・ウエスタン」へのタランティーノ・リスペクトがたっぷりです。(ただ予想したより「マカロニ」風味は少なかったように思います。香港映画の忠実な再現ぶりには驚嘆。あの荒れた粒子の安い画面まで再現していたのに驚愕!) 前作が「さそり」vs「修羅雪姫」の構図を持っていたように、今回は「子連れ狼」から元ネタをいただいております。 結論としてやはり「キルビル」は1本の映画として観るべきものだと思います。世界中の娯楽映画の見本市的な作品をタランティーノは目指していたはず。作品を2本に分けたことで、テンションのまったく違う2作品が完成してしまいました。続けてみればいいのだけれど、この違いに乗りきれない観客もいると思われます。幻の6時間バージョンで一気に観てみたい!今年年末に公開が噂されている完全版が待たれます! 実際、撮影されたが、カットされたシーンもかなりあるようです。(パイ・メイとビルのガチンコ対決は撮影されているはず、さらには予告篇で刀を振り回すブラザーは1カットたりとも登場してこない!) 師範代的な見どころポイントを1つ、2つ。 香港修行シーンのパイ・メイへのズームショット。わざとフレームを失敗したようなズームショットまで香港テイストにしていたのには頭が下がります。 今回も、女優を綺麗に撮っているのはオタク監督の面目躍如。ダリル・ハンナの美しい毒に師範代やられました。もちろんユマ姐さんも綺麗です。 エイガドージョー・ドットコム 殺人の追憶 こんな映画を観た。 2003年の韓国ナンバー1ヒットとなり560万人の動員を記録したという話題作。 シネカノンの配給で日本公開となりましたが、師範代の地元・熊本までは残念ながら来ませんでした。仕方なく福岡のキャナルシティまで観に出かけた訳です。 常連の凹さんをはじめ多くの人が絶賛していたこの作品、かなり期待度が高い中での鑑賞だったですが、期待以上の完成度に大満足!電車代使って観にいった甲斐もあったってもんだよ! 舞台はソウル近郊の農村・ファソン。1986年から6年間の間に起きた連続猟奇殺人事件。実際に起きたこの事件を元にしたフィクション作品ですが、とんでもないパワーを持った傑作に仕上がっています。 監督は、デビュー作「吠える犬は噛まない」(韓国題:フランダースの犬)に次ぐ2作目という驚異の新人・ポン・ジュノ監督。 出演は、「シュリ」「JSA」「反則王」と幅広い作品に出演しているソン・ガンホと上川隆也+佐藤浩市といった感じのキム・サンギョン。この二人の刑事が、反目しながらも「ファソン事件」の真実を追う姿が描かれます。 とにかく映像の迫力がすごい!悲惨な事件が続くのにどことなくユーモラスな感じの人間描写は、全盛期の黒澤明や今村昌平を思わせます。(パンフには、『黒澤明の孫が日本で生まれず韓国で生まれた。まいった。』という阪本順治監督のコメントが・・・・・・) さらに事件の進行と二人の刑事の感情の変化をシンクロさせる構成がみごと! 全カットをポン監督が絵コンテを描いたという緻密な画面構成も、前もって準備した感のあるソリッドなものでなく、あくまで登場人物の感情に寄り添うかたち。自分の作る映像に酔っていないとこが、この監督なかなか大物です。 ネタバレとなるのでストーリーには詳しく触れませんが、映画を観たあと刑事の気持ちにシンクロしてズシッとした重いものが残る作品です。まだ上映中の劇場もあります。是非! 追伸:ソン・ガンホ刑事の「跳び蹴り」だけでも、この作品を観る価値があります!! エイガドージョー・ドットコム お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年09月13日 21時36分59秒
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