フリーペーパー華やかしころ
フリーペーパー全盛である。コンビニや地下鉄のラックでタダでもらえる雑誌・新聞の発行部数は実に年間2億部以上。これは朝日や読売など一般紙の四倍以上というから、一大メディアといっても過言じゃない。社会への影響も大きい。僕が定期的に読むのはタワーレコードの「bounce」とリクルート社の「R25」。「25」の発行部数は月60万部で、対象は首都圏300万人の25歳以上男性ビジネスマン。木曜には近所のコンビニのラックからさらってくる。うっかり忘れると金曜日には無くなっている。最新号の記事内容は、映画監査・崔洋一のロングインタビューをメインに、ビジネスや政治、経済、IT、雑学等各分野の短めのコラム記事が20本数本。連載が5,6本、テレビ番組欄まである。創刊当時は大手週刊誌が「タダだけあって中身がない」といやみを言っていたが、既存誌の中身の薄さから考えて十分対抗できるものだ。僕は週間文春をしばらく購読していたがいまは殆ど買っていない。あの程度の情報なら時々買うタブロイド紙とネットで十分だ。300円は高い。人気blogランキング← フリーペーパーの収益は広告費。これは誰でも知っている。売れなくても広告費でペイできている雑誌は実はたくさんある。ある求人情報誌の場合、本の値段100円は全て書店がとってもいいことになっている。出版側は1円も儲けがない。さらに流通経費として、価格の30%程度を取次会社へ支払う。情報誌自体の製作費用は内容により流動的だが40円くらいとして、その他諸々の経費をのせれば、、100円の本が店頭に並ぶまでに200円くらいかかってしまう計算になる。これに対し収入は広告費。ページあたり50万が相場らしいから、約150ページとしてザクっと計算すると7500万円。広告を取ってくる代理店に30%支払っても5250万円の粗利。例えば20万部作ったとして、20万部×原価200円=4000万円の実費がかかるから、差引きで1250万円の儲けだ。かなり乱暴な計算だが流通経費は実際にはもっと安いだろう。書店に売上げがとられるならタダで配っても同じ。コンビニや牛丼屋なら専門の配送業者で安くあがる。タダなら手に取りやすいから広告効果もあがり、従って広告収入も増大する。「あんなもの脅威でもなんでもない(某大手週刊誌)」などと言ってていいのだろうか。バブルがはじけ始めてるのに「うちはこのまんまでいいんです」と必要な手段をまるで講じてこなかった老舗百貨店支店長を僕は知っている。いまその支店はない。人気blogランキング←