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この夏、日本映画史上類を見ない程のヒットとなった(なっている)「日本沈没」(原作者:小松左京)ですが、これは、1973年版のリメイク版であることは皆さんご承知の通りです。
小松左京原作の初版発行は、1973年3月20日ですが、同年、7月15日には、146版が出されています。私はこの第146版を読んだ訳ですが、その年末には、守谷司郎監督で東宝が映画化、小林桂樹さん、藤岡弘さん、いしだあゆみさんが主演し、大ヒットしました。 今回の日記で記しておきたいことは、実はこの原作本の中に、日本製コンピュータが登場します。そのコンピュータ名は「DIPS-2(ディプス・ツー)」といいます。当時、私は入社3年目で、この「DIPS-2」の開発に携わっていた一人です。実際の名称は「DIPS-11(ディプス・イレブン)」といいます。小松左京氏が執筆中の間に「DIPS-1」が出荷、納品(1971年)されました。私達はその納入機器の現地調整作業の傍ら、「DIPS(ディプス)」としての次期機種の開発を進めていた最中でした。「DIPS」とは「Dendenkosha Information Proccessing System」の略で、現在のNTTの前身である日本電信電話公社(日本電電公社)用のコンピュータで、日本電電公社が仕様の取り纏めを行い、決定された同一仕様で、富士通、日本電気、日立製作所の3社がそれぞれ、独自のハードウェア技術で開発を担当しました。但し、仕様として、アセンブラ(機械語)レベルは同一仕様であったため、OSを含めソフトウェアは共通に使えるコンピュータだったのです。「DIPS-1」は、当時の日本電電公社武蔵野電気通信研究所に納入されました(組織の敬称は略させて頂きました)。 そして、その次期機種の開発発表直前に、小松左京氏原作の初版が発行され、その中に「DIPS-2」が登場していた訳です。結果、結局、実際の名称は「DIPS-11(イレブン)」となったのですが、「2」のローマ字表記は「II」ですよね。これって「11」に分解できる訳で、当時、私達は、コンピュータのネーミングで小松左京氏に先を越された(開発に携っていた私達でさえ「DIPS-2」になるものと思っていたんですから、多少、悔しくもありました)と話し合っていたものでした。 この夏、33年振りに樋口真嗣氏が現代版にリメイクし、草薙剛さんと柴咲コウさんの主演で、大いに盛り上がっています。(添付の写真は、映画「日本沈没」製作委員会によるものです) この映画の話題を見聞きするにつけ、コンピュータの仕事を始めた当初の頃を思い出し、懐かしさとともに、時代変化の凄まじさを感じています。私自身、もう一度、あの頃の気持ちに立ち返って、仕事を通じて、社会貢献することの大切さを「デジャブ」のように思い返しているところです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年11月27日 06時47分33秒
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