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カテゴリ:TV番組・映画・芸能全般
これは、NHK-BS2で、29日夜放送された番組です。各県の予選を勝ち抜いてきた人達が、トーナメント方式の組み合わせで勝ち抜き戦で行われます。実に、ユニークな内容です。戦うもの同士、お互いに3分ずつ、自分の用意したテーマで詩(お話)を朗読します。早くても、ゆっくりでも構いません。但し、時間は3分です。勝ち負けは、7人の審査員が、必ず、どちらがより良かったかの判定を
下すことで決着します。29日の21時~23時の2時間番組として見ましたが、これは10月27日に行われたものを編集して放送ものだそうで、(年1回開催され)今年で第6回目だということです。 出場者の中に、外国人枠というものがあって、今回は、ネパール出身のラリットさんが選ばれ、出場しました。この方は、日本語検定1級の取得者で、大変、上手に日本を操ります。このラリットさんが、見事に決勝まで勝ち上がりました。決勝だけは、それぞれが予め用意したテーマで3分間話し、更に、即興のテーマ(封筒に閉じられた幾つかの用意されたテーマを、その場で「くじ引き」のようにして引いたテーマ)について、考える時間も含めて3分で話すというものです。 私が一番面白いと思った話は、ラリットさんの準決勝でのお話です。 「日本語が話したかっただけなのに」というテーマで、内容は、自動販売機でキップを買って、自動改札機で中に入り、来た電車に乗る。降りる駅を確認する為、誰かに聞こうと思ったが、皆、居眠りをしていたり、音楽を聴いていたり、新聞を読んでいたりしていて、とても尋ねる雰囲気ではない。どうしようかと思っていたら「次は、xx駅」と車内アナウンスがあって、誰にも聞かないで済んでしまった。銀行のATMで、お金をおろして、コンビニで買い物をする。バーコード表示をコードリーダーで読み取り、最後に店員さんが「400円です」。そこで、ラリットさんは「えっ、もう少し安くならないですか?」と尋ねたところ、店員さんは、困った様子を示したそうで、ラリットさんは(あわてて)400円を払い、店を出て、一言。「私は、誰かと話をしたかっただけなのに」、と。大体、そのような内容だったと思います。 その話を聞いて、確かに、朝、家を出てから、誰とも会話をすることなく、職場に着きます。夜、職場を出たあとは、誰とも会話せずに、家に着きます。日常化してしまって、なんとも思っていませんでしたが、ラリットさんのお話を聞いて、よく考えてみると、異様な日常であることに気付かされました。 今回の大会優勝者は、そのラリットさんを決勝で「4-3」で降ろした、木村めぐみさんという方で、この方のパフォーマンスも凄いものがありました。声の力、言葉の力による戦い。相手をやり込める「ディベート」とも異なる、実に日本人的な「詩のボクシング」。こんな番組があったんだ、と初めて知りました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年12月30日 10時39分37秒
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