テーマ:家を建てたい!(9925)
カテゴリ:住いの情報
50坪の家が2週間で建ってしまった! あなたのブログも参加しましょう! -----------------------◆◆◆第2話◆◆◆------------------------ で、そのスポンサーの左官屋さんが手配してくれた職人さんがはっきり言って、低レベル。 木造の物件ですし、我々建築屋は木造の場合寸法を尺貫法で表現します。壁の石膏ボード厚さ12.5ミリは4分ボード。9.5ミリは3分ボード。長さはほとんど尺で言います。1820ミリの材木を1間の材木とは言いません。6尺ものと言います。 当時モルタルを塗る場合、ひび割れを防ぐためおよそ900ミリから1800ミリの間隔で壁に溝を縦に入れていきます。これを「目地」と言います。 目地を入れることによって、壁全体の区画割ができ、もし一部が万が一ひび割れた場合でもその目地の間だけで割れて、目地をまたいで隣の壁まではひび割れがしなくなります。 で、ですね、私は、この目地を910ミリの間隔。つまり目地ピッチは3尺にしてください。と、この職人の親方に指示したわけです。6尺ピッチ(間隔)でもよかったんですがなにせ後から割れるのは目に見えていましたから、できるだけ一つの壁の大きさが小さいほうが後から補修が簡単にできるってもんだい!どんなもんだい! それで、左官屋の親方に目地ピッチは3尺でお願いします。と。。前述の通り伝えて返ってきた返事が「はいよ、1メートルピッチね」わたし「ん?ちゃうちゃう、3尺だよ、間違えないで」(この間の会話共通語に翻訳済み、以下も同文) 「3尺でしょ、了解了解」・・・このときはわかってくれたものと判断しました。 またまた話は前後。前回の大工工事の話の電気屋さんや設備屋さんとのやり取りの最中でも、先ほどの話の通り工期が無いからやっちゃいけない壁の下塗り工事にとりかかって、それに、もっとやっちゃいけない下塗りの乾く時間を無視して上塗りを実行。 ほとんど1回塗りに近い状況。もちろん目地は1メートルピッチに入ってます。ん?ん?なんだぁ~~? モルタルも乾かないうちに、アクリル系の吹き付け塗装。・・やっちゃだめよ、こんなこと。おじさんが、おこっちゃうわよ~~~~。 内部だって、和室の壁塗り、べたべたと。乾かないから、ストーブがんがんつけて。やっちゃだめよ、こんなこと。 新築の家は、自然乾燥しなきゃだめなのよ~~。強制乾燥は、材料が狂うわよ~~。新築の木造家屋の湿気が抜けるのは2年以上かかります。 現在の24時間換気システムで窓の開閉が制限されている状態では、なかなか自然換気も難しいでしょうが、本来、乾燥させるには自然が一番なのです。ゆっくりと時間を掛けて乾かすから、狂いも少なくなる。 狂わないとは言いません。木造でも、鉄骨でも、鉄筋コンクリートでも必ず狂います。建築的な表現をすれば歪みます(ひずみます)。建築はこの歪みを予想して、最初からその歪むだろう寸法分、強制的に歪ませておきます。 いよいよ完成じゃ~~~~~。 さあ、これから覚悟していた驚きの実態がいま明かされる。 年末ぎりぎりに完成12/25でした。そろそろNTTさんがやってこないといけない時期なのですが、その雰囲気さえ感じられない。 ひょっとして・・・そう思って電話した。案のサダ---(アンノジョーともいう)NTTの担当者が血相を変えて完成したわが社へやってきた。ああいうのを、開いた口がふさがらない、というのでしょう。建った建物の前で上を見上げながら、身動き一つしないで固まっている。 この方は2週間で50坪の家が建つという常識のような非常識を経験したことが無かったのでしょうね。いい経験をさせてあげたということでは、わたしたちはいい事をしたわけで。 でも、電話が通じないのはイカン! できたから言える事だが、もし工事が間に合っていなかったらNTTさんに我々が頭を下げているところだったのですが、なにせ目の前には周知の事実。やったやないけ!という自身があるから皆態度はでかい。 事務所の開店通知ももう出来上がって電話番号も入っていつでもOKよ~~~ん。の状態だから、いまさら電話の開通は来年になります、などという話は通じない。 NTTさんもここぞとばかりに頑張った。 やればできるじゃ~~~ん。じゃ~~ん。1日で電話が通じた。 ***********年が開け****悲劇は始まった******** まず最初のクレームはもちろん左官工事。 外壁の塗装は工事中にもろくも半分流れ出していたため、あちこちにムラができている。真正面から見ると気が付かないのだが、西日などを浴びているときに、斜め方向から外壁を見るとデッコボッコ。凸凹というよりガチャガチャの仕上がり。もちろん下地のモルタルが平らに仕上がっていないからだが。 外壁目地はもちろん?(前述)1メートル間隔で入っているから、ぜんぜんまとまりが無い。本来見た目は窓のセンターに入っているはずの目地が、微妙にずれている。この微妙のずれが許せない。それに・もっと肝心な致命傷。壁が膨らんできた。 これは外部だけでなく内部の和室も、事務所の玄関の床のタイルもとにかくモルタルを塗った部分全部に言えることでした。とにかくモルタルの調合が悪すぎるうえに、気温が12月で、特にこの年は早めに寒かったため、モルタルを練っている最中にモルタルが凍ってしまったのです。 そんなモルタルぬっちゃいけましぇ~~ん。 ぜったーい、ぬっちゃいけましぇ~~ん。 それは、その時点でモルタルとは呼べない代物なのです。 ところがその凍ったモルタルを誰も見ていない。見ていたのは左官屋さんの職人さんだけ。 私たちは、中の納まりの指示で手一杯。 あとのまつり・・・・アフタ~~カ~~ニバル~~~♪。 (オヤジギャグですまんこってす) 和室の壁も壁の中心がモッコシと膨らんで、いつ落ちてきても不思議じゃない状況。通常湿式工法の内部の塗り壁厚は、1ミリも無いでしょう。それが2ミリ以上塗りこんであるから、自重で垂れ下がってきた。これは工期の問題ではなく、職人さんの技術のレベルの問題です。 なにせ、スポンサーが左官屋さんで、そのスポンサーが手配してくれた職人さんです。こちらも文句は100のうち30程度しか言わなかった。いや、言えなかった。(涙) でもそのあと、こんなことを言われた。「和室が2室と聞いていたけど、ホンとは何室だったの?壁材が予想の倍以上かかっているのから。ひょっとしてよその現場に回したか?」 スポンサーとはいえ言ってはいけない一言だった。 関係者全員の怒りが頂点となった。特に塗装屋さんは激怒した。だって、左官屋さんがきちっと塗ってくれないから仕上がりは凸凹。あげくに工事中みぞれ模様で塗装はたれ流れて、だらだら、これは左官屋さんのせいじゃないけど、もたもたやってるから、後にしわ寄せが来たんだ!とのご意見。 大体壁材料が倍以上かかったのは、塗り方がへただから、何度もごてごて塗りまくったせいだからなのです。 出来上がった和室にスポンサーを通して、アングリ。。。 事実を理解していただいて。職人さんにはペナルティで、今後一切の出入り禁止、取引禁止となってしまいました。 不適正な工期を組むということは、何事にも最悪な結果を生む原因となります。昔から家を建てるには着工から2年ぐらいかかったほうが建物にはいいんだよ。といいますが、2年はオーバーとしても、例えば造成が終ったばかりの住宅団地に建築するよりは、最低1年経過した造成地のほうが比較的安心なわけです。 これは他の産業と違って建築という作業が、ほとんど現場で行われるから、しっかり時間を掛けて工事するということが基本だからなのです。工事を請け負うと元請業者は職人さんが現場から1日でも抜けることを嫌がります。 それは建て主さんが、職人が1日抜けることに不安を抱いているように見えるという、強迫観念に駆られるからなのです。 現場が1つしかない工務店さんでは、少し頼りになりませんよね。多く受注しすぎている工務店さんも、「ちゃんと来てくれるのかなぁ。。」という不安がありますが、工程が重なって工事を受注している工務店さんが当たり前です。 少し職人さんが現場から離れるのは、きちんと事実を話せばわかってくれるはずなのですが、これが現場サイドではなかなか割り切れない。お施主様に一生懸命やりますから・・と言っている割には、現場に職人が来ない。 もらった工程表通りに進んでいないのに、現場は休んでる。とお施主様は間違いなく思っているわけです。 高いお金払っているのだから、早くやってとは言わないけど、きちんとやってよね・・・・という声が現場監督の耳元に響いてくるのです。1日しか現場を空けないはずなのに、もう3日も職人が来ない・・・・ どちらの気持ちも痛いほどわかる現実です。 私も2週間で家を建てる作業を経験したわけで、これは常識はずれのとんでもない行為です。ただ、それをお客様に対して行っていたら、今こうして、こういうブログを書いてなどいられないことになっていたでしょう。 建築とは、お施主様の希望を限られた予算の中でいかに満足していただくか、ということと、完成後のあらゆるトラブルにいかに速やかに対処するか。ということに尽きると思います。完成した物件で、何も起こらないということはあり得ません。必ず何かがおこります。 でもそれは、不正工事をしたから・・手抜き?という原因ではありません。ほとんどが不可抗力で起きてしまうトラブルなのです。 もし、あなたのお宅に引越し後に何か思ってもいないことが発生しても、あわてず、依頼された工務店に連絡を速やかにしてください。速やかにやってきて、速やかに対処をしてくれると思います。 時間はかかるかもしれませんが、解決できない問題などありません。妥協するのではなく、やるだけやってその結果です。 なんか2つの話題が同時進行してるような文章ですが、だんだんくっつきます。 50坪を2週間で建てるのも建築です。あらゆるトラブルの発生は覚悟していたことです。適正な工期はそのトラブルの発生を最小限に抑えます。無駄な出費を抑えます。 建てる側、受ける側、何かのご縁があって大事な財産を任せて任されます。信頼しましょう。 疑問があれば速やかに質問しましょう。出来上がってしまってからでは遅いのです。早めに疑問は解決しましょう。監督さんは受注が決まった時から、工程を作り上げています。そこに予期しない追加などが発生すると、全ての工程を練り直さなければなりません。完成をずらすことはほとんど無理ですからね。 これから建築する方はいろんな不安がいっぱいあると思います。でも、あなたが信頼して決定した工務店さんでしょうから、自分の目を信じて工務店さんにお任せしましょう。 きっと工務店さんもそれを感じて精一杯のことをしてくれるでしょう。 ちなみに一般住宅で35坪から45坪程度の和風ではない現場の工期は、坪当たり2.5日から3.5日という計算で3ヶ月から5ヶ月が必要という概算で工程の打ち合わせをします。 ネットサーフしていたら、とっても参考になるサイトを見つけました。 All About 《住宅インテリア》→家を建てる(佐川 旭 氏) | http://allabout.co.jp/house/homebuilding/ このブログが役に立つと思った方は1回クリックお願いします。 この記事を評価する お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/12/08 12:41:08 AM
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