カテゴリ:ちんぷんカンプン
今日も今日とて話題がありすぎ、だからと言って、
しっかりまとまっているわけでもなく。 ジャンルが選択できずに自分で作ってしまった。 普段、暴露本のようなものはなかなか書けないものですが、「暴露」という事は、決してその人当人にとってはよい話ではないわけですよね。 これからお話しするのは、私が携わったある大手のハウジングメーカーさんの、建築に対する基本姿勢のお話です。 タイトルのようにオドロ・オドロした内容ではありません。 ・・・と、先に書くと読者が逃げるので、ここはあくまでも暴露本。。。 会社名を明かすような非常識なことはこの年になってしたくは無いので「ピー」を入れさせていただいてご紹介しましょう。 いきなり本題。 まず、現場精度の誤差の許容範囲に驚いた。 我々が基礎工事をしているとき、基礎の出来型は、天端(てんば)の高さの誤差は5ミリ以内で収めるように努力をしていました。ずっとその誤差の中で仕事をまとめてきましたが、ある事情でハウジングメーカー○○(株)の現場を担当したのですが、基礎の天端の許容誤差は3ミリ以内。 ってことは基準点の高さがあって±1.5ミリ以内に収めないと社内検査に通らない。ということです。 で、意地になって、±1ミリ以内に収めてみました。 測定ポイントは基礎の任意の点90センチ間隔です。 つまり90センチ以内の基礎の高さの誤差は2ミリ以内に収めてみました。やればできるじゃないっすか。 職人の技術レベルの低さを嘆く前に、現場管理の自分の技術の向上があれば精度は飛躍的に上がるということの実例です。 ちなみに、土台を止めるアンカーボルトの天端高さの許容誤差も社内規定では3ミリ以内でしたが、これも全数およそ300本近くを誤差2ミリ以内で完成させました。 ここの現場は建坪(1階の床面積)がおよそ55坪。ちょっと大きい家でしたので、全てのボリュームが半端ではありませんでした。 また、土台を貫通して柱まで止めてしまう工法のホールダウンアンカーの位置の誤差も3ミリ以内に収めました。 建前のあとの、軸組み(じくぐみ・骨組みのこと)検査では柱の倒れの許容誤差は2ミリ以内でしたので、全ての柱の倒れの誤差を1ミリ以内に完璧に取り付けました。 柱の倒れの誤差は、後々内装工事の段階で、室内の壁の倒れの誤差、ドアの建て付けの誤差の検査のときに、全て2ミリ以内で収めてなければならないため、必然的に建前のときに、柱を全数チェックして、この誤差の範囲内より以上に、ほとんど倒れの誤差が0に近い数字で収めておかなければならないわけです。 ここまで書いてきてお分かりのように、全てのチェック項目の誤差の精度寸法が、今までの工務店での精度とは比べ物にならない範囲で収めなければならないのです。 部屋の柱の床から天井までの倒れの誤差が1ミリまで抑えるということが出来ると思います??? でもやればできるんですね。自分の現場管理の能力に「おれってなんて天才なんだ!」と何度思ったことか・・・・ところがこの○○(株)の指定工務店はみなこの精度を守って現場を収めているわけで、凄いよねぇ。。。 以前、精密機械の工場を設計施工したときに、その機械の精度誤差が0.001ミリと出ていたので、その社長さんに、我々には考えられない精度ですね。。などと言ってしまったら、 「建築屋さんの精度にはかないませんよ」 「いやいや、建築屋なんていいかげんなもんで」 「高さ100メートル以上もあるビルをまっすぐ建てる技術はこんな精密機械よりもっと高度な技術でしょ」 「そっか・・・」 「1階で柱が5ミリ傾いたまま建てていったら、・・ね」 なるほど見方によってはそういう解釈も出来るかな。。 ************** 世の中で手抜き工事と言われる建物が乱立しているような、マスコミの報道があります。 ごまかしの建築屋ばっかりのような言い方がされていますが、現実、必死になってお客様のために日夜、努力をしている建築屋さんのほうが多いということを忘れないでほしいのです。 ************** 建築をやっている人間を見ていると、なぜだか「おばかだよね」と言いたくなってしまいます。泥まみれ、ほこりまみれ、雨風関係なく誰に言われるわけでもないのに、えっちらおっちら働いています。 3K(きつい、きたない、きけん)の代名詞になっていた建築業界もいまでは、そんな風に思えない環境になっているように思われますが、実際そうではありません。 こんな業界で若い茶髪や金髪のお兄ちゃんが働いているところを見ると、嬉しくなってきます。見た目ではちょっとこわもてなのですが、話してみると皆さん実にいい青年ばかりです。 成人式で報道されているような兄ちゃんばかりが、日本にあふれてしまうような錯覚になってしまいますが、こういうお兄ちゃんを見ていると、日本の将来もまんざらではないかな。。。 などと思ってみたりもします。 じっさい、建築現場ではたらくおにいちゃんや、おねえちゃんを見かけたことがありますよね。額に汗して働いています。それがついこの間までは、当たりのこと前だったのに、どうして 今は感動することになっちゃうんでしょうね・・・ はい。今回も建築屋さんはサボっちゃいない! ということを回りくどく言ってみました。 P・S 実際このハウジングメーカーの社内基準の収まりには、指定業者一同泣いておりました。こういうところもあるんです。どこの会社だか聞きたいですか?? このブログが役に立ったと思う方は1回クリックお願いします。 この記事を評価する お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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