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2006年11月07日
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 「万人に幸せをもたらす真に豊かで平等な理想社会…中国共産党が歩んだ社会主義革命への道は、目標とは似ても似つかぬ大悲劇を招いてしまった。文化大革命は民衆に夥しい犠牲者を生んだ。改革開放が進んだのちも官僚の汚職が蔓延し、農民への搾取が横行する悲惨な現況。伝統的抑圧からの解放をめざしたはずの共産党は、むしろ伝統の申し子だったのではないか。中華人民共和国は「社会主義の衣を着た封建王朝」―本書が引導を渡す。変わりたくても変われない、逃れようのない“悲劇”への哀悼歌。」

 中華人民共和国は「社会主義の衣を着た封建王朝」。衝撃的なタイトルだ。タイトルが大袈裟だと、中身は?ということもあるが、本書に関しては、それは全く当てはまらない。

 第二章「マルクス主義が中国に進入した理由」、第三章「なぜ国民党ではなく共産党だったのか」、第四章「幸福になれない中国人」では、清朝末期から文化大革命後までの中国近現代史が、時系列にそって詳細に概説されている。これは共産党だけに限られず、国民党についてもその果たした役割等が解説されている。実に紙面の8割以上が、この中国近現代史に割かれている。

 「『階級闘争』を発生させる起動力は、『生産手段』の革新である。『生産手段』が革新されると『生産力』は増大し、増大した『生産力』は旧い『生産関係』の枠組みを突破し、大きな『生産力』に対応する新しい『生産関係』の樹立を要求する。社会組織の変革が求められるのである。そして『階級闘争』により支配階級は被支配階級に政治権力を奪われ、被支配階級が新しい社会の支配階級となる。これが『革命』である。」など、私には馴染みの薄い「マルクス主義」等の説明も適宜なされており、興味深い。

 中国共産党による社会主義革命は、「社会主義革命実現への客観的状況が熟していなくとも、の人為的に革命状況をつくりだ」す「主観能動性」によって、社会の土台変革を基礎とすることなく進められた。すなわち、中国という国がその必要性から「社会主義」を求めたわけではなく、政治権力の奪取の手段としての「社会主義革命」であった。つまり、内実は「社会主義の衣を着た封建王朝」なのである。

 また、筆者は、「中国近代史上に出現したいずれの政治運動も、目的を実現する可能性をはらんでいた。それぞれの運動が政治支配を確立できなかったのは、運動のもつ理念が誤っていたからではない。~歴史状況の有利と不利~政治組織の構造~指導者の資質に還元できる」と主張する。

 「中国は、共産党や社会主義を必ずしも必要としなかったのではないか」





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最終更新日  2006年11月07日 01時20分51秒
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