2022/02/15(火)17:47
天地の道は極まれば則ち反り、盈つれば則ち損ず
天地の道は極まれば則ち反り、盈つれば則ち損ず
「天地之道、極則反、盈則損」『淮南子』
「暑い、暑い」と暑さにうだっていても、やがて涼しい秋になり、そして寒い冬がめぐってくる。「寒い、寒い」と寒さを嘆いていても、やがて暖かい春となり、そしてまた酷暑の夏がめぐってくる。これが天地の法則である。月はしだいに満ちて満月となるが、そのとたんに、またしだいに欠けていき、いつまでも満月であり続けることはできない。これもまた動かしがたい天地の法則である。人間社会を支配している摂理も、これと同じである。しだいに昇りつめて頂点を極めると、もはやそれ以上の頂上はなく、待っているのは下降である。かりにどん底に沈んでも、そこから先に見えているのは、上り道であると心得たい。だから、頂上を極めても驕ることなく、いっそう慎重な処世が望まれる。逆にどん底に落ち込んでもけっして落胆する必要はない。あせらず騒がず、力をたくわえながら時を待つことだ。
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