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ニッポンとアメリカの「隙間」で、もがく。

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2016.07.30
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オーディションから選抜されるまで(9月~12月)

1.学校から持ち帰ったオーディションのチラシ(9月)

すべてはその1枚のチラシから始まった。

新学期が始まって間もない9月のある日、息子が学校から1枚のチラシを持ち帰った。学校の音楽の先生からもらったと言う。で、これ行ってもいい?と。

内容を読むと、何やら楽器のオーディション。ボクちんこれがやりたいの、と息子が指差す先には、コントラバスを抱えて立っている男の子の写真が。だって、これコントラバスだよ。ママ、コントラバスって何?と聞かれて答えに詰まる私。とりあえず、大きいバイオリンだよ、と適当な答えをしてその場をしのぐ。さらに私は問いかける。これクラシック音楽だよ。クラシック音楽って何?じゃあ、あとでおうちに帰ったらYoutubeで聴いてみようね。あとね、これはオーディションするんだよ。オーディションってなに?うーん、テストみたいなものかな。ふーん、じゃあ机に座って何か書くの?うーん、それはちょっと違うかな。。。(いや、いったいどんなオーディションするんだろ。楽器の経験は問わないって書いてあるし。。。)

という、親も子も全く分かっていないまま不毛なやりとりが交わされたのだが、息子はそれでも、ボクちんこれに行ってもいい?と引き下がらない。

とりあえず家に帰って夫に話し、もう一度チラシを読んでみる。すると、これはボストン青少年交響楽団のプログラムの一環で、表現は丁寧だが要するにビンボーな地域の子供を選び抜いてオーケストラに入団できるまでの実力をつけさせるプログラムだという。 オーディション料はたったの5ドル。締切も迫っていたので夫が慌ててオンラインで申し込んだ。

2.オーディション(9月末~10月初旬)
半信半疑で申し込んだオーディションだったが、まもなくEメールにて案内が届いた。会場はボストン市内の私立大学のアートセンタービル内。オーディションは1時間ほど。その間、保護者に対しては担当者からプログラムの説明と質疑応答の機会が設けられるとのこと。

オーディション当日、息子は特に緊張する様子もなく、何人かの子供達と教室に入って行った。会場には近所のママ友が子供達をオーディションに連れてきており、このプログラム直属の交響楽団のコンサートにも何度も行っているのだと言う。

一方、子供向けのコンサートはおろか、クラシック音楽のコンサートなどほとんど行ったことのない我が家。私は4歳から高校3年生までヤマハのエレクトーンを習っていた程度。クラシックも、よく聴く有名な曲を知っている程度。というわけで、息子に対する期待も非常に小さく、本人もオーディションが終わった後はニコニコしながら楽しかったー、と教室から出て来て、かなりあっけなく終わった。

どんなことをしたのか尋ねてみると、歌を歌ったり楽器を試し弾きしたとのこと。楽器の経験も聞かれ、息子は学校の音楽の時間にフルートとバイオリンとキーボードをやったことがあると答えたそうなのだが、それさえも知らなかった私。。。

3.第1回目選抜・6回のお試しコース(10月中旬~11月下旬)
プログラムへの選抜は2回にわたって実施される。まず約100名の応募者から第1回目のオーディションで36名へ絞り込み、その子供達に対し、毎週日曜日、感謝祭直前までの6回にわたって弦楽器の基礎を教える。各回の練習ではバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスから1つずつ、計2楽器を割り当てられて試し弾き。

オーディション時点で楽器の経験は問われないというのだから、いったい何を見て選抜するのかはズブの素人には全く知る由もなかったが、息子は無事一次予選を通過。この6回のお試しコースを受講することになった。これは全て無料。 息子は初心貫徹で、どの楽器を弾いてみても、コントラバスが一番いいと言う。最後のクラスでは保護者も招いてのミニ演奏会が開かれ、4つの弦楽器にそれぞれ振り分けられた子供達は、ピチカート奏法(弓を使わず、指で弦を弾く)でごく簡単な短い曲をいくつか披露し、最初と最後のお辞儀もみっちり仕込まれ、立派な演奏家達に成長した。

私は弦楽器など全く触ったことがないので、うわーちゃんと音が出てる!というまことにお粗末なレベルで喜んでいたが、中には演奏が終わってから子供に姿勢などを注意している親もいた。きっと本人も経験があるんだろう。私も娘のダンスの時は、娘の身体の向きや細かいところが何かと気になってしまったものだが、子供の習い事は、親は何にも知らない方が子供にとってはよいのかもしれない(笑)。 演奏会の後には一人一人に修了証書も授与され、後は36名から20名にさらに絞り込まれる本選抜の結果を待つことになった。

4.本選抜・楽器選択(12月中旬)
最初は何が何だか訳が分からず、毎週始まったお試しコースにバタバタと通うので精一杯だったが、ここまで来るとせっかくだから合格して欲しいなあ、と親としても欲が出て来る。どこからどういう血が流れて来たのかは全くもって謎だが、コントラバスに惹かれた少年。これまで、これと言ってお稽古事などやっていなかった8歳の子供が自分からやりたいと言ってきたことである。しかも楽しそう。

そして、慌しいホリデーシーズンの真っ只中にその通知は来た。合格である。まもなくして先生からも電話で連絡があり、楽器はコントラバスかビオラを勧められ、息子は迷わずコントラバスを選択。息子のように年齢も背も大きい子はこの2つの楽器のいずれかを、小さい子はバイオリンかチェロを選ぶことになっているらしいので、規格も希望も一致して本当に良かった。全く何もかもが偶然とはいえ、幸運に幸運が重なって良い方向に向かっている。

その後、膨大な量の各種書類と共に教材・付属品購入リストも送付されて来たが、内容を見ても何の事だかさっぱり分からない。どんな物なのか全く脳内に絵が浮かばない。パソコンを初めて買った時に、実はパソコンだけじゃなくて付属品もあれこれ揃えないといけないんだけど、各付属品がいったいどんな物で何のために使うのかがさっぱり分からないのと同じ。 幸い、現在はネットという便利なものがあり、お勧めの弦楽器専門店のウェブサイトに行って、リストのものを順番にコピペして検索し、無事に買い物終了。

そして、気の遠くなるような量の書類を書かされ、健康診断書などのコピーを添えて提出し、ようやく準備は整った。







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最終更新日  2016.07.30 05:06:35



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