globe作品レビュー1stアルバム 『globe』 (1996.3.31) 400万枚を売り上げ、当時のアルバムセールス記録を樹立したメガヒットアルバム。 今更説明するまでもないですが、オーディションでステージから落ちるほどの元気を見せた大分の旅館の娘KEIKOと、ファッションモデルから歌の世界に飛び込んだフランス人との混血マーク・パンサー、そして仕事人かつ仕掛人・小室哲哉のよる3人組がglobeであります。 なにせ、TMNでの活躍後、trfを大人気グループにまで育て上げた小室哲哉が、自身のユニットを結成するとあれば、そりゃ注目も集まりますし、当人も気合の入れ方が違う。 彼の構築していたサウンドの世界観を具象化する場所となったのが、このglobeだったのです。 これまでに出ていたシングル5曲を全てぶちこみ、さぞかし雑然とした印象のアルバムとなるだろうと思いきや、なかなかどうして、これがアルバムとして非常に良い流れをつくっています。 『Always Together』『Precious Memories』のバラード2連発の後の『FREEDOM』という流れは映えるし、それと前後しますが、『Joy to the love』『SWEET PAIN』からそのバラード2連続に続いていくという構成も良し。あ、もちろん冒頭のインスト『GIVE YOU』から『Feel Like dance』へというワクワクするようなオープニングもイイですね。 KEIKOのヴォーカルは、決して上手くないのですが、彼女特有のパワフルで時に繊細な歌声は代わりの利かないものだし、彼女でなくてはglobeの音楽にならない。 MARCのラップもまた然り。歌の中に主旋律と平気で並んでしまう彼のラップなくしては、globeのglobeたる要素が欠けてしまうわけです。 小室さんの、マニアックな仕掛けを施したダンスサウンドでありながら、大衆性を失わないソングライティング力もさすがのもの。女子高生もOLもカラオケで歌えちゃうわけですから。これが時代のど真ん中にキマったんですよね。 この1stアルバム『globe』。唯一無比の「globe」のサウンドを味わえるアルバムであり、まさに自身のグループ名を冠したタイトルが示す通りの内容なのであります。 今では時代を過ぎた感もある音だけど、やはり400万枚を売り上げた功績に恥じない一枚だと思いますね。 そして、何よりすごい(オドロキの意味で)のは、彼らにとって、こういった作風はこのアルバムだけだったことなのです(笑) 1.GIVE YOU ★★ 2.Feel Like dance ★★★☆ 3.GONA BE ALRIGHT ★★★ 4.DEPARTURES ★★★☆ 5.Regret of the Day ★★★ 6.Joy to the love ★★★ 7.SWEET PAIN ★★★ 8.Always Together ★★★ 9.Precious Memories ★★★☆ 10.FREEDOM ★★★☆ 11.MUSIC TAKES ME HIGHER ★★ 12.LIGHTS OUT ★★★ 総合 ★★★★ 小室哲哉の目論んだマニアックさと大衆性の融合が理想的な形で結実した、元祖(?)メガヒットアルバム!! |