「ニューヨーク・ジョフリーバレエスクール 大人からのバレエ」
（The Joffrey Ballet School's Ballet Fit）という本を読みました。
ニューヨークジョフリー・バレエスクール大人からのバレエ
これがなかなか面白かったのです。
私はバレエを始めて十ウン年経つのですが
時々、まわりから
「私もバレエやってみたかったの。ずっと憧れてたの」とか
「いつかやってみたいと思ってるの」と言われることがあります。
「え、じゃあやってみたら？今は大人の初心者クラスも
たくさんあるし、楽しいわよ！」と私が誘うと
大体みんな同じ答えなのです。
「え、だって私すごく身体が固いから、もっと柔らかくなってからじゃないと・・・」
「えー、私の体型でレッスンでたら恥ずかしいから、もっと痩せてから・・・」
え？？？
だって、バレエをやれば体が柔らかくなって痩せられるのですよ？
（痩せるというよりは、引きしまる、という感じですが）
そんなこと言ってたら、いつまでたっても始められなくて
時間がもったいないのでは？
なんて、人ごとながら思っていたのですが・・・。
この本には、いろんな質問というか、悩みが出てきます。
「場違いな感じ。プロの卵やプロのダンサーにまじってレッスンを受けるなんて
ごめんだし、そんなの自分がみじめ」
「ダンサーって細いのに、」私は太目。あんなぴちぴちのレオタードを着なきゃならないなんて」
「運動神経が鈍い。身体も固い。開脚なんかできない」
・・・もっともっといろんな声が。
でも、すごく明快に明確に答えてくださってます。
「あ、そうか。大人のバレエは気楽でいいんだ」って
背中を押してもらえます。
それから、途中に見本の動きを見せる素敵なプロのバレリーナさんの写真もありますが
そのほかに、バレエスクールの大人初心者クラスの皆さんのレッスン風景の写真もたくさん。
がっしり体型の年配の紳士淑女の皆様が頑張っている姿がたくさん見られます。
60代？のような女性がキャミソールレオタードでカンブレ（腕の動き）をしている写真も。
そうなんです。私も海外のスタジオでレッスンをした経験がありますがこんな感じです。
足が上がらなくても、体が曲がらなくても、みんな楽しくレッスンしてます。
160センチのちっちゃい私（アメリカでは体型も痩せてるほう）が
バーレッスンで190センチ近いムキムキのお兄さんに
左右を挟まれたことも（先生が「このジャパニーズガールの動きを真似なさい」なんて勝手に配置したので…
）。
初心者のお兄さんたち、全然体が硬いのにすごく楽しそうでした。
そうなんです、大人のバレエは楽しく踊ることが一番。
日本では大人の初心者クラスでも皆さん真面目で
自分だけ出来ないとすごく落ち込んだりするし
頭で一生懸命考えようとするけど、大丈夫なんです。
人の三倍四倍かかっても、いつかできるようになればそれでオッケー
（そう思って気長に続けてきた私・・・長すぎかも）
それから、中で素敵だな、と思った一節があります。
「プロが大人の初心者におおいに敬意を払っていることは確かな話。・・・やってみたいというその気持ちがプロにはとてもうれしいのです」
私の知り合いのプロさん（某バレエ団ソリスト）も、同じようなことを言っていましたね。
「教えている大人の生徒さんの熱意が見えると、こっちもすごく燃えるのよ。少しずつ上達していくのが見えるとこっちまで幸せになるの」
バレエを始めたいけど勇気が出ないという人は
この本を読むと、背中を押してもらえるかもしれません
）。
