観劇ライブ貧乏。

天気予報で雪が降る降る言っていたのに結局雨。確かに雪が降ると交通機関が大変な事になるのでありがたくないのですが、天気としては雨より雪を期待してた私は微妙にがっかり。冷たい雨…出る時ちょっと鬱でした。
そして東銀座で降りて歌舞伎座に向かおうとしたらば階段を降りてくる人々に圧迫されて出られなくなりそうでした(笑)昼の部観た人が詰め掛けてた模様。気持ちはわかりますけどここ２人ぶんしか幅ないから！上から押さないでー！ちょっと怖かった。


［鳴神］（なるかみ）
なんというか、鳴神上人…ストレートに言うならかなり間抜けな人です。名前は知っていたけどこういう話だったのかｗ
絶間姫に酒を薦められて嫌がる所とか、もう威厳もなんもなくなってて可愛いんですけど！結局は姫を手離したくないばかりに薦められた酒呑むし。
雲の絶間姫も、酒を飲ませて上人を騙すという役の割に「上人様申し訳ありませぬ」と謝っていて(上人は酔って寝てますが)なんだか可愛らしくて憎めない。
姫が日照りの呪法の(滝に竜神が封じてある)注連縄を切ってしまい、彼女の裏切りを知った鳴神上人は怒髪天を突く状態。止めようとする弟子達を投げて投げて投げまくり姫の後を追う…という筋なのですが。
投げられてる弟子役の人々のうちの数名のアクションが何気にすごい。歌舞伎でもバク宙とかするのね！無知なので知らなかったですよ。中でも途中で人形に摩り替わっちゃう(上人がその後持ち上げるから(笑))人が半階くらい上の段から身を投げ宙返りしたのには拍手喝采でした。素敵。
鳴神上人、荒事に入ったらすごいカッコイイんですが、なにぶん前半の鼻の下伸ばしっぷりを見ちゃっただけに「男ってアホやのう…」という印象が拭い切れませんでした。


幕間におでん食べようと思ったら予約でいっぱい。悲しい…仕方ないのでカレーを食す。いやカレーも好きなんですけど。やはり寒い時期なのでおでんは人気メニューなのでありましょう。来月こそ食べたい…。


［土蜘］(つちぐも）
感想書こうとして初めて「土蜘」でつちぐもだと知りました(遅)。土蜘蛛じゃないのね。
そして毎度おなじみ名前は知ってるけど内容は知らなかった演目。でも蜘蛛の糸を投げるシーンは有名ですね。生で初めて見て「おおー！」って感じでした。後見さんがものすごい勢いで投げられた糸を回収するのにまた「おおおおお(笑)」状態。後見さんといえば蜘蛛の精が潜む塚を舞台中央まで運んで来た時一瞬被せてあった布が取れそうで見ているこっちもはらはら。(どうしてそういうところばかり見てるんだ私)
蜘蛛の精、正体現した後のメイクと衣裳がまたすっごい！双眼鏡でじっくり見てしまいました。殺陣のスピードは速くないので私は蜘蛛の精が繰り出す糸ばかりに注目しちゃってました；
そうそう、土蜘退治に来た武士５人衆の衣裳が派手で色違いなので何故か特撮戦隊ものを連想してしまいました；昔から正義の味方は色分けがあったのですね…。

演目とは直接関係ないのですが、鼓の皮ってなめて湿らせているんですね。いつもいつもなんで鼓打ちさんは顔のまん前に鼓持って来るんだろう…という疑問が解決しました。
私は膝のところに持って叩く「カーン！」と甲高い金属音を立てる鼓の音色が心地よくて大好き。

［新皿屋舗月雨暈　－魚屋宗五郎－］（しんさらやしきつきのあまがさ）魚屋宗五郎
内容とは関係なくヒットだったのは「染五郎のヅラが飛んだ」事。ある意味珍しいもの見ちゃった…。早業で被りなおしてたけど、相当表情が動揺してました(笑)演目とキャラがこれでよかったね…；
お話はお殿様が娘を勘違いでお手打ちにしてしまい、その葬式の場で同僚の娘に真相を打ち明けられた父親が自分に課していた禁酒の誓いを破って酒を呑み、大虎状態でお殿様の元へ押しかけるという筋書き。
話が話なので暗めかと思いきや、酔っ払って酒乱と化していく幸四郎が面白いです。先月観た身代わり座禅(勘九郎)といい、酔っ払い演技が楽しい。
最初は猪口で呑んでいたのに最終的に樽から呑んで飲み干してしまう。その時妻や店員の三吉相手に酒の奪い合いで暴れるのですが、そこですぽーんと音を立てんばかりの勢いで染のカツラが飛びました。一瞬呆然の後大笑いしてしまいました。染様、ごめん。速攻拾って被り直して怪我した状態で額に赤い血の跡のついた紙を被せて布巻いてましたが、あれって最初からああする予定だったのでしょうか？そうでなかったらものすごいいい判断です(笑)でも血のりついた紙なんてなさそうだから最初っからその予定だったのかな…ヅラが飛んだのだけ予定外で。詳しい人教えてプリーズ。
酒乱の宗五郎も面白かったんですが、奥様がナイスキャラでしたね。酒を呑むのは止められなかったけど、亭主の扱いは心得てるというか。

本日は割と気楽に見られた歌舞伎だったのでした。昼の部も観たかったですが、日程的に無理でした。とほほ。