2006/11/19(日)15:09
レビュー#40 STEELEYE SPAN 《PLEASE TO SEE THE KING》 71年英国
The Blacksmith (England)
Cold, Haily, Windy Night
Jigs: Bryan O’Lynn (Ireland)/The Hag With The Money
Prince Charlie Stuart (Scotland)
Boys Of Bedlam (England)
False Knight On The Road (Child#3)
The Lark In The Morning (Ireland)
Female Drummer (England)
The King
Lovely On The Water
Rave On (Sonny West/Bill Tilghman/Norman Petty)
Martin Carthy
vo, g, banjo, organ, bells
Maddy Prior
vo, spoons, tabor, tambourine, bells
Tim Hart
g, dulcimer, bells, vo
Ashley Hutchings
b, bells, vo
Peter Knight
fiddle, mandolin, organ, b, bells, vo
ささ、口直し口直し。
フォークというよりはノイズ音楽だった前回のアンプス・フォー・クライストはラックに戻して、正統派でも聴くことにしよ。
ゲイとテリーのウッズ夫妻がアイルランドに帰り、代わってマーティン・カーシーとピーター・ナイトが新たに加わった2作目。
ドラムを使わなくなったのだけど、そのぶんベースとギターが底を作り出そうとしている感じで、“重さ”は前作よりアップしてますねえ。
1は2回目の登場だけど、テンポも落としてるしアレンジもかなり変えてるし、まるで違う曲だわ。この曲はたくさんの人に演奏されるけど、スティーライのこのバージョンが重厚さでは群を抜いてるんじゃないかと。
前作はリードシンガーが4人いたけど、ここでは2人に減ってます。密かに美声シンガーだったりするティム・ハートがリードを取る曲はなくて、マディ・プライアが1、4、7、8、10、カーシーが2、5、6、みんなでアカペラが9、11となってますねぇ。
まだまだマディは絶対的な看板シンガーだし、すでにある程度の地位を築いているカーシーが歌わないわけにはいかないし、個人的にティムの哀愁声は大好きなんだけど、隅に追いやられた形なんでしょうか。
まあ3作目、4作目と進むに連れてリードで歌う曲は増えていくんですけどね。
太めに奏でる傾向にある専任のフィドラーも入ったしオートハープやコンサーティーナなんかを使わなくなったしで、土臭いフォーク作品から荘厳なフォーク作品に変化してますねぇ。
どこかで微妙なズレが生じてかっぺコーラスになるのがフォーク系の王道パターンだけど、この人たちは均整取れまくりなんだよね。アカペラ多重唱の曲を集めたコンピを作ってもクールなものができそうだしね。
メロディメーカーの年間最優秀フォークアルバム賞を獲得したことには何の疑問もないけれど、隙がなさすぎてちょっと緊張気味に聴く自分がおります。