2006/11/03(金)18:04
レビュー#367 DOCTOR STRANGELY STRANGE 《ALTERNATIVE MEDICINE》 97年アイルランド
Lilty’s (Pawle/Booth/Goulding/Scully/Thoma/Tutty)
Darksome Burn (G. M. Hopkins/Goulding/Booth/Pawle/Scully/Thoma/Tutty)
The Heat Came Down (Booth/Goulding/Pawle/Scully/Thoma/Tutty)
The James Gang (Booth/Goulding/Pawle/Scully/Thoma/Tutty)
Hale Bopp/Jig For Jack (Thoma/Booth/Goulding/Pawle/Scully/Tutty)
Hames And Traces (Pawle/Booth/Goulding/Scully/Thoma/Tutty)
Wishing (Tutty/Booth/Goulding/Pawle/Scully/Thoma)
Whatever Happened To The Blues (Goulding/Booth/Pawle/Scully/Thoma/Tutty)
Too Much Of A Good Thing (Pawle/Booth/Goulding/Scully/Thoma/Tutty)
Hard As Nails (Goulding/Booth/Pawle/Scully/Thoma/Tutty)
Planxty Roland (Goulding/Booth/Pawle/Scully/Thoma/Tutty)
Epilog (Booth/Goulding/Pawle/Scully/Thoma/Tutty)
Strange World (Khosa/Tutty/Booth/Goulding/Pawle/Scully/Thoma)
Pulp Kayak (Pawle/Booth/Goulding/Scully/Thoma/Tutty)
Ivan Pawle
vo, a-g, e-g, harmonium, Hammond, backing-vo
Tim Goulding
vo, p, key, Hammond, whistle, harmonium, backing-vo
Tim Booth
vo, a-g
Joe Thoma
fiddle, viola
TJM Tutty
b, a-g, vo
Bruno Staehelin
ds, per
Mario m’Goma
per, rainstick, Tibetan bell
Gary Moore
e-g
Davy McFarlane, Andy O’Sullivan
harmonica
Sean O’Loinsigh
bazouki
Len McCarthy
baritone sax
Mary Greene, Aine Whelan
backing-vo
突如現れたドクター・ストレンジリー・ストレンジの3作目。
少年の心を忘れていない中年男性による再結成ものなのか、単なる未発表音源なのかよくわからないけど、どうやら前者らしいです。正式メンバーは70年に出した2枚に参加してたオリジナルの3人+フィドラーのジョー・トーマみたい。
あとはベースとかドラムとかハーモニカとか呼び出してるけど、またしてもゲイリー・ムーアが友情出演してるってば!
27年前は良い塩梅で千鳥足なヒッピー節を随所で披露しつつもケルト民らしい哀愁も漂わせていたけれど、ここではヒッピーさはかなぐり捨てて哀愁のみを大幅増量したようです。
初っ端からフィドルが泣きまくってるインストで、ティム・グールディングがピアノを叩き鳴らす2を聴いてもかつてのいい感じにヒョロいサイケ臭は感じ取れません。
クラシックの正規教育を受けたプログレの人が作ったような音楽だなあ、というのが第一印象ですねぇ。1&2作目に比べるとボトムの重さもくっきりしてるし、こりゃーかつてのアハアハ笑ながらも目にはうっすらと涙を浮かべていたドクター・ストレンジリー・ストレンジとはひとまず切り離して聴いた方がいいかもしれないなあ。
といっても内容がペケなんじゃないです。むしろ良いんです。
面影なさすぎて、まさか同名異バンドか!?って一瞬慌ててしまったもので。
前回のインクレディブル・ストリング・バンドに出向してたアイヴァン・パウルが本籍を置くバンドっていうつなぎで出したんだけど、もう「アイルランドのISB」っていう言い方はできないね。
何度も言うようにまずは哀愁があって、次にプログレ(およびクラシック)、次に憂いある素朴なケルト。
ハモンドが結構目立っていて、ゲイリー・ムーアが参加してる3、8、10も「ゲイリーが弾いてるからブルージーな雰囲気」じゃなく、もう最初からソウル入りまくりな感じなのだ。
あるいはフィドラーさん主導のトラッド風の調べもありで、だけどそこもやっぱり哀愁が食い込んできています。
11は曲名こそそのまんまだけど、ケルトっつうよりはクラシカルロックだなあ。ここもまた叙情。リリシズム入りまくり。
ラテン気質な13でさえ悲しげなのは、シンガーが揃いも揃って快活さのない歌い方だからだろうか…。
もう泣きですよ、泣き。普段よく接している郷愁に駆られるような泣きとはちょっと違う、魂を揺さぶられるような泣きね。
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