つまずく石も縁の端くれ

2009/05/17(日)00:49

パウル・クレー 東洋への夢 千葉市美術館

アート(1014)

パウル・クレーがいかに浮世絵や水墨画など東洋の 影響を受けていたかを探る展覧会。 クレーが浮世絵の影響を受けていたことは、まだ あまり知られていないそうで、研究途上とのこと らしい。 クレーがまだ色彩画家となる以前の線描画の時代に、 北斎の「北斎漫画」の人物像を真似て描いている ものが多数、展示されている。 さらに、北斎をはじめ、写楽、広重、豊国、国芳 などから、構図を借りたり、インスピレーションを 得た作品があった。 たとえば、「役者のマスク」という絵(これは、 実際には展示されていなく、ビデオで紹介)は、 北斎の百物語の提灯お岩さんの影響を受けている。 提灯の平行線がそのままクレーの絵に使われている とのこと。それが、たとえば今回展示されている 「ホールC、エントランスR2」の平行線とも 関連しているという。 過去に何度か見たクレーの展覧会に比べ、デッサンが 多く、色彩感あふれる絵は少ないので物足りない。 さらに上記の研究発表のような感覚であり、鑑賞と いうより、勉強したなぁという感じである。 クレーの絵とともに展示されている浮世絵には、 見るべきものが多かった。特に国芳の韓信の股 くぐりの絵に出会えて大収穫だった。 そして、このクレー展よりも階下の会場で併設されて いる「江戸浮世絵巻展」の方がインパクト大であった。

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