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カテゴリ:ワイン関連
Ch. ブルネール・ドゥクリュの垂直試飲
Ch. ブルネール・ドゥクリュは、チョコレートのニュアンスが特徴的であることはお話しましたが、今回の中で唯一サンジュリアン村のシャトーのものです。サンジュリアンは果実味が豊かだとか。このワインの個性は、ロアルド・ダール(1916-1990)の短編小説『テイスト』に面白く描かれているそうです。 この小説の中で、ある成り上がりの若者がボルドーのお金持ちの娘へ求婚した際、その父親から、ワインを当てたら結婚を許してやるとされ、出されたワインを推理していくシーンの解説をしてくださいましたので、ご紹介します。 まずそのワインがカベルネ・ソーヴィニョンであることが分かったので、ボルドー左岸のシャトーのものであろう。 しかも、お金持ちのセラーに入れてあるようなワインだから特級であろう。 さらにフルーティーなので、サンジュリアンであろう。 ただ、濃厚な樽香はない。ここまでで、Ch.ベシュベルや、ボーカイユも候補にあがりますが、味わいが荒くはっきりと主張があることから、大型ではなく手作業でつくっているような小さなワイナリーではないか。サンジュリアン村で最も小さな区画であるCh.ブラネ-ル・ドウクリュでろうというところまでたどり着きます。そして、最後の絞り込み は・・・ 甘みが非常にあるので、きっと暑い夏があった年であろう。過去 10年を振り返ると、それは1936年か1934年である。 最後に、熟成がかなり進んでいたので、'34年のの方であろう。 ・・・このようにして、見事言い当てたのでした(!)。 す・・・スゴイ! でも、ソムリエさんは言います。 「私達もなにもいつも全てを試飲している訳ではありません。味わったワインをヒントに、多くを推理していくのです。」 ソムリエの仕事は、探偵だったとは知りませんでした。 どれどれ、ワタシも自分なりに考察してみるか。ブラネール・ドゥクリュの1996年と2000年を比べると、明らかに、2000年の方は、色も紫で、香りも青く若々しい。はっきり言って、まだまだ飲み頃ではないのは、1990年のディッサンを口にしてしまった後では、あまりにも明らかです。それから・・・ だ・・ダメだ・・。ワインがかなり廻ってきてしまっている。ワタシはつくづく、テイスティングには向かない体質なのだと痛感したのでありました。 食事も最後のお料理が出てきて、圧巻のところ。料理は仔牛肉のパイ包み焼きでしたが、この若々しいワイン(1996,2000年いずれも)には、仔牛のあっさりしたお肉では物足りないくらいだなと感じるのが精一杯でした。 それにしても・・・このチョコレートの香り・・・ボルドーづくしで乾いた感じになってきたワタシには、デザートはコッテリとチョコレートフォンデュケーキなんかが欲しくなってくるではありませんか。 そこで出てきたのは、いちごのシャンテ・バニラアイス添え。 チョコレートの香りにご執心だったワタクシやその付近の女性4名。おそらくチョコレート系のデザートを期待していたにちがいありません。ちょっと肩を落としたのでした。 が・・・・ 次に、バニラアイスにたっぷりとかけられたシェリー(!)。 アレクサンダー・ゴードンのペドロ・ヒメネス。天日にさらして干しぶどうにした白葡萄から造られた甘くてこってりとしたシェリーです。アイスを一口口に入れて、一瞬クリームブリュエのカラメルのような香ばしい濃厚な味・・チョコレートに匹敵する濃さを楽しませてくれました。 終わり良ければ全て良し。ほろ酔い気分でハッピーなひとときはコレにて幕。 (了) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.12.13 19:24:50
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