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カテゴリ:映画&TV談
BBCとNHKの共同制作のドラマ。
一年ほど前、前編、後編を2夜連続で放映したのですが、私は「後編」を見逃してしまい、ずっと続きが気になっていました。 再放送もなく、半ば諦めかけていたら、この度DVDが手に入りました(^^)V。 アメリカ、ワイオミング州、イエローストーン自然公園。200万エーカーのその地殻には、アメリカ史上最大の噴火セントヘレンズ火山の2500倍ものマグマが蓄えられていた・・・! 地震などの地殻変動により、イエローストーンが大噴火を起こし、世界的大パニック、いや人類存続の危機が起こるという話。 これだけだと『日本沈没』や『復活の日』などとイメージを重ねてしまいそうですが、このドラマの醍醐味は、信憑性のある研究データに基づき制作されており、映像も、過去の実際のものを多数登用してあるところ。USGS地質研究所本部の研究員、FEMA連邦緊急事態管理庁長官、次官、ワイオミング州知事など登場人物の語りを挿入しながら、ドキュメンタリータッチの編集で、切迫感と危機感が刻々と伝わってきます。 測定不能なスケール、対策の打ちようがない程の事態、これらを「9.11の1000倍もの瓦礫」「広島型原爆の2500倍のエネルギー」などと描写し、セントヘレンズ火山、アイスランドのラーキ火山噴火(1783年)のときの記録や、古くはベスビオ火山、スマトラのトバでの大噴火などの調査記録と分析を参照しながら、具体的かつ理論的に説き、視聴者の想像力に訴える。FEMAの次官に状況を説明すべく、セントヘレンズの火砕流のすさまじさやコロンビアの泥流の実際の映像を見せる。冷静沈着なFEMA次官の表情にも動揺が隠せない・・・。 破壊的シーンは決して多くないけれど、ジワジワと緊張感が増してきて、手のひらにはじっとりと汗をかいていました。 キャストがハリウッド系メジャーじゃないところもドキュメンタリーっぽくていい。 (イギリスでは、テレビドラマで有名な俳優なのかな?? USGSのスタッフ役で『リトル・ダンサー/Billy Eliott』でビリーのお父さん役だった人が出ていました。) イエローストーンの大噴火は、約60万年に1度の周期で起こっていおり、地球時計で計れば、明日かもしれないし、数万年先かもしれない。でも、確実にいつかは起こる。))) もし今の地球に起こったらどうなるかーーーー。 2ー3千立方キロの岩やガスが飛び散る。 半径100キロは時速700キロ、摂氏800度の火砕流に襲われ、全て消滅。食物生産地である草原地帯を含むのアメリカ国土の80%が灰に覆われ、20%は人が住めなくなる。更に、噴火ひと月後には、噴出した何億トンもの二酸化硫黄が成層圏に留まり、北半球を包み、太陽の光を遮り、数年間にわたり気温は急降下。地球規模の大災害となり、それは人類存続の危機を意味する。 まるでシミュレーションのようなドラマだけど、想像を超える事態が起こると、手の打ちようもない。 大自然の前には、あまりにも無力な人間。 三宅島の噴火で住民が避難していた5年間の間に、島周辺の珊瑚礁が甦ったとか。 地球は何事もなかったかのように、年月をかけて回復していくのね。))) その人間が、駆け引きをし、戦争をし、地球をコントロールしようとしているのだから、考えてみたら、ちゃんちゃらおかしい。 そんな風に思うと、つい視線が遠くなるけれど、人間時間で生きていかないと、何も出来ない。 時々太陽と月を見上げながら、至近距離でモノを考えていくしかないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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