テーマ:ニュース(100010)
カテゴリ:つれづれ
隣のクラスの3年生男子生徒が、自作した火薬入りガラス瓶に火をつけて投げ込み爆発させた。生徒58人が病院に運ばれ、うち1人は重傷。犯人の男子生徒は現行犯逮捕され「1組の生徒に恨みがあった。爆発物は自分で作った」などと話しているという。この生徒は入学以来遅刻や欠席がなく、口数が少ない、まじめで物静かなタイプ。教師たちは、彼のイメージと事件の残虐さを結びつけることができず、困惑しているとのこと。多くの残虐な少年事件と共通の犯人像です。今回は死者の出なかったことが唯一幸いでした。 信じられない事件が起こるものです。ニュースで聴いたとき、遠い海外の事件と思いました。少年の心に潜み、肥大化して爆発した闇の正体。これを解明し、少年を救い出すことができなければ、こうした少年犯罪が消えることはないでしょう。 修行中の私には残念ながら、その解決策を提示することはできません。 お釈迦様の言葉に救いを求めるだけです。 「すべての者は暴力におびえ、すべての者は死をおそれる。 すべての生きものにとって生命は愛しい。 己が身にひき比べて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。」 (『ダンマパダ 法句経』第129,130偈) 『ダンマパダ(法句経)』と同じく南伝の最古層に属する仏典のひとつ である『スッタニパータ(経集)』にも同様の言葉が残っています。 「“彼らも私と同様であり、私も彼らと同様である”と思って 我が身にひき比べて、生きものを殺してはならぬ。 また他人をして殺させてはならぬ。」 (『スッタニパータ 経集』中村 元訳より) 何かに囚われてごく普通の思考も停止し何も考えられない状態、 無明の世界に陥った者には、自分すら分からない。 自己を見いだすことも、認めることもできない。 こうした状態にあると他人を傷つけ殺してしまう暴力は、 一方で自分自身にも向けられます。 自殺することも他人を殺すことも同じことなのです。 要は「自分を、自分の《いのち》を愛しいと思う」ことができる、 そういう教育のできる学校、そういう子育てのできる家庭や社会。 私たちが目指さなければならないのは、そうした人の住む世界ではありませんか。 「すべての生きものにとって生命は愛しい。 己が身にひき比べて、殺してはならぬ。殺さしめてはならぬ。」 少年の犯した罪は、本人のみならず、回りの大人達の責任でもあるのです。 合掌 観学院称徳 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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