そうだ坊主になろう！～ヒロ伊藤流仏弟子修行

「この世の人々は、人情が薄く、親しみ愛することをしらない。

　しかも、つまらないことを争いあい、激しい悪と苦しみの中にあって、

　それぞれの仕事を勤めて、ようやく、その日を過ごしている。

　身分の高下にかかわらず、富の多少にかかわらず、すべてみな金銭のことだけに苦しむ。

　なければないで苦しみ、あればあるで苦しみ、ひたすらに欲のために心を使って、

　安らかなときがない。

　富める人は、田があれば田を憂え、家があれば家を憂え、すべて存在するものに

　執着して憂いを重ねる。あるいは災いにあい、困難に出会い、奪われ焼かれてなくなると、

　苦しみ悩んで命まで失うようになる。しかも死への道はひとりで歩み、だれも付き従う者はない。

　貧しい者は、常に足らないことに苦しみ、家を欲しがり、田を欲しがり、

　この欲しい欲しいの思いに焼かれて、心身共に疲れ果ててしまう。

　このため命を全うすることができずに、中途で死ぬようなこともある。

　すべての世界が敵対するかのように見え、死出の旅路は、ただひとりだけで、

　はるか遠くに行かなければならない。」

　　　　　　　　　（『仏教聖典　無量寿経下巻より』仏教伝道協会発行）



昔も今も、人の迷うすがたは変わらない。人情が薄く、争いあって苦しみ、
金銭のことで苦しみ、あればあるでなければないで苦しむ。
財産があれば憂え、執着して憂いを重ね、なければ欲しいという思いに焼かれるという。
富める人も貧しい人も、すべての世界が敵対するかのように見えるというのも頷ける。

苦しんでいるとき、憂えているとき、すべて迷っているとき、人は憑かれたように
周囲が見えなくなるものです。心が凝り固まって柔軟性を失い、
自分でつくった状況に追い詰められる。
こういう時、旅を急ぐ人でも木陰に立ち止まって休息をとるように、
立ち止まって、自分の姿を客観的に見てみましょう。瞑想して心をよく観察します。
何かにとらわれている自分が見えてくれば、あなたは乗り越えることができるでしょう。


あなたの悩み苦しみがなくなりますように！

合掌　観学院称徳