「錆は鉄より生ずれども、その鉄を傷つくるがごとし。」
(『法句経』第240偈)
「みな、私の言うことを聞いて、悟るがよい。
外から人の中に入ってくるものは、人を汚すことができない…
人の中から出てくるものが人を汚すのである。
内部から、すなわち人の心から出てくるものが、悪い考えであって、
邪淫、盗み、殺人、姦淫、貪欲、よこしま、詐欺、好色、ねたみ、そしり、
高慢、愚かさである。これらの悪はすべて人の中から出てきて、人を汚すのである。」
(『新約聖書 マルコによる福音書』7章14-15、20-23)
お釈迦様もイエス様も、すべて悪い行いは、人の心から生まれてくるものだと言われています。
悪魔は元から存在したのではなく、天使の半分が神を裏切って分派したものです。
これは心から悪い考えが芽生え、その考えによって行動して、悪をなすことを象徴しています。
怖いですね。錆が鉄から生まれたにもかかわらず、その鉄を傷つけ壊していくように。
癌が人の細胞から生まれて、その人を傷つけ殺すように。
悪行を重ねると、悪い業(カルマ)となって、本人を苦しめ傷つけ命を奪う。
人は、本来自己中心的に生きています。この世に生を受けた以上、それは当然のことです。
自他の区別なしには、生きていけないから。そして人は、悪の原因を他に求めます。
しかし、イエス様の言葉は、そうした人々に対して発せられたものです。
それはお釈迦様が、繰り返し説かれた教え、そのものでもあるのです。
あなたの心が悪の汚れから守られますように!
合掌 観学院称徳