師は言われた、
「瑞兆の占い、天変地異の占い、夢占い、相の占いを完全にやめ、
吉凶の判断をともにすてた修行者は、正しく世の中を遍歴するであろう。」
(『ブッダのことば スッタニパータ』第360偈 中村元訳 岩波文庫)
お釈迦様の説かれた縁起説によれば、運命は自分がつくりだすものであって、
宿命はないのです。占いを止めて、正しく生きろと言うのです。
悪行を積み重ねれば災厄に見舞われ苦悩する。
善行を積み重ねれば福楽が訪れる、というものです。
それでは何故、お寺でも神頼みのように、おみくじや占いを提供しているのか?
ということになりますが、
これは宿曜経(文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経)というお経によるのです。
文殊菩薩などが、インド起源の占星術を解き明かしたものです。
インド生まれの不空金剛(三蔵法師)が、759年に漢訳したとされるもので、
不空金剛が中国密教普及の高僧だったため、日本には空海さんが持ち帰りました。
しかし、サンスクリット語の原点が見つからず、
不空さんが独自にインド占星術をまとめたもの(偽経)ではないかと思われているお経です。
では、何故、占いを禁じたお釈迦様の弟子たちが、
占いを取り入れてしまったのでしょうか?
拙僧は、これは方便ではないかと考えています。
辛いときもあれば、楽しいこともあるさ!
たとえ今運気が衰えていて苦しみの中にあっても
諸行無常、すべてのものごとは常ならず移り変わるものだから、
状況は必ず好転するよ、頑張って堪え忍べと。
また今は運気が良く福楽の絶頂にあっても、傲慢や油断してはいけない。
運気は循環するものだからと。。。
占いは、特に占星術どれも星回りと共に運気も循環するものだからです。
そう言う意味では、拙僧は占いを否定しません。
楽しいコミュニケーションのツールとして話題にするのもいいでしょう。
自分を自戒するための指針とするのもいいでしょう。
未来に希望を持つための動機付けでもいいでしょう。
要は、運命は自らが切り開くものという自覚を持ち、
占いに囚われて一喜一憂しないということだと思います。
占いにとらわれない、気にしない生き方もある! 2005年03月25日掲載
http://plaza.rakuten.co.jp/epub777/diary/200503250000/
あなたの運気が好転しますように!
合掌 観学院称徳