「八風吹けども動ぜず」
八風吹不動 (『寒山詩』より)
これも禅の言葉です。
仏道を行く者には、いろいろな風が吹き付けます。
仏道を人生と言い換えてもいいでしょう。
八風(はっぷう)とは、心を惑わす八つの風のことです。
意にかなう利風、意に反する衰風、
陰でほめられる誉風、陰でそしられる毀風、
目の前でほめられる称風、目の前でそしられるき譏風、
心身を喜ばす楽風、心身を悩ます苦風の八つの風です。
つまり道を往く人に吹き付ける順風と逆風なのです。
意にかなう、陰でほめられる、目の前でほめられる、
そして心身を喜ばすというような順風が吹くときも、奢ってはならない。
意に反する、陰でそしられる、目の前でそしられる、
そして心身を悩ますというような逆風が吹くときも、たじろぐことはない。
風は常に風向きを変えて吹いています。
意にかなった、反した、
陰でほめられた、そしられた、
目の前でほめられた、そしられた、
楽ちんだ、苦しい、
こんなのは一時の風向きにすぎないというのです。
風向きが変わる度にジタバタするなよ。
自分は自分。
確固たる信念を持って、不動の心で、自らの道を歩め!
「八風吹けども動ぜず」
常に心に留めておきたい言葉ですね。
合掌 観学院称徳