忍
がまんをするんだよ
がまんをするんだよ
くやしいだろうがね
そこをがまんを
するんだよ
そうすれば
人のかなしみや
くるしみが
よくわかって
くるから
みつを
昨日と同じく今日も『いのちのバトン』掲載の相田みつをの詩からご紹介です。
がまんをすれば人の苦しみや悲しみが分かってくる。これはお釈迦様もいつも言われていた真理ですね。相田みつをの詩が簡単な言葉の羅列でありながら、人の心を打つのは彼の心が清浄な菩薩の境地にあったからなのですね。この詩に出逢ったとき、確かにそう感じました。
がまんをすることは難しいことです。自我がそれを邪魔します。
「くやしいだろうがね」とみつをは呼びかけます。「そこをがまんをするんだよ」と。
999人を殺してその指を奪ったという己の犯した過去の悪行により托鉢に出る毎に石をぶつけられ棒で殴られて血だらけになって帰ってくる弟子に、やさしくしかし厳しく諭しながら、自分の食べ物を分けてあげるお釈迦様の言葉と同じです。人は苦しみや悲しみの中から人として大切な真理「悲」を学ぶことができる。「慈」と共に仏教の愛の基本です。
最近の子供はがまんができなくなっていると言われています。そういう子供が大人になって世の中が人の苦しみや悲しみが分からない人ばかりになったら…、そう考えると恐ろしいことです。ひとり一人が心しておきたいことだと、あらためて思いました。
人の苦しみ悲しみが愛に変わりますように
合掌 観学院称徳