テーマ:暮らしを楽しむ(388491)
カテゴリ:話芸・お笑い、ラジオデイズ
春の神田愛山・柳家喬太郎二人会が去る3月27日に開かれ二人の大ファンである拙僧も友人達と行ってきました。お江戸両国亭という本所松坂町吉良邸すぐ近くの小さな寄席は、落語界のトップスター喬太郎師匠登場とあって超満員の盛況、ついこの間までの入りを考えれば落語ブームも本当かもしれないと思います。
喬太郎師匠、まずは古典「まんじゅうこわい」を快演。最近古典を見直しているということですが、ただの古典では終わらないところが喬太郎の魅力。抱腹絶倒の「まんじゅうこわい」は志ん生を超えたと言っても過言ではありません。続く、愛山先生、悪党「髪結新三」をやってくれました。落語の人情噺を明治の河竹黙阿弥が芝居の世話物に仕上げた名作、講談では「白子屋政談(弥太五郎源七)」というそうな。アクの強いひと癖もふた癖もある人物を演じたら愛山先生の右に出る者はおりますまい。落語では昭和の大名人三遊亭圓生の長講「髪結新三」が思い出されますなあ。 仲入り後、喬太郎師匠が再登場。愛山先生がこの二人会は自分にとってリハビリみたいなものだと言ったのを受けて、あたしはリハビリ介護士だと笑わせる。今度は新作ネタ「寿司屋水滸伝」の発端。寿司を握れない二代目親方の経営する小さな寿司屋、板前さんが愛想を尽かして辞めてしまいカッコがつかない。が、そこに客の中から次々と板前が登場するものの、これが何と!?おっといけねえ、新作にネタばらしは御法度だ。日常の中に荒唐無稽な設定を持ち込み、天才的な芸の力で強引に奇想天外な展開を図って爆笑を誘う、この夜も喬太郎の術中にはまってしまって心地よい。 トリはもちりん愛山先生。実話をそのままやるというネタは「人生の持ちネタ」。大学で教えている元新聞記者の授業に出てもいないのに打ち上げに出てきた学生。妙に目立つ。就職塾もやっている先生、気になって話しかけると「おれ、就職したいっす」と学生。授業にも出ていないので就職できそうもないと言う。「学生生活で何か打ち込んだことはないのか」と先生、「なんにもないっす」と学生。バイトとサーフィンに明け暮れた学生生活だという。先生がバイトやサーフィンの話を引き出すとこれがすこぶる面白い。内容が言えないのは新作落語と同じだ。ちょっと変わった成績が悪く自信のない学生の体験談が会場を笑いと感動の渦に巻き込んだ。いつのまにか突き抜けた感がある愛山先生、シャイで隠した表情の底に明るさが垣間見える。リハビリ介護士天才落語家喬太郎の恐るべき影響力! 同時に喬太郎の話芸に愛山先生の講談の凄みと深さが加わって行くのが見えるようですな。楽しみなことではあります。いや、ホンマ!話芸ってほんとうに面白いですねえ。 神田愛山オフィシャルサイト http://aizan.wagei.net/index.html 柳家喬太郎プロフィール http://www.radiodays.jp/artist/show/109 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年03月30日 20時43分25秒
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