カテゴリ:話芸・お笑い、ラジオデイズ
水無月の落語会から
梅雨なのに水無月とはこれ如何に? 今月のオリンパスシンクる寄席は、三笑亭夢丸、夢吉の親子会、話芸の味と溌剌とした若さの対決。 先ずは夢吉さん、その漫画のようなキャラによく似合う「強情灸」で威勢のいいところを披露。江戸っ子のお馬鹿な意地の張り合いが笑えます。 続いて夢丸師匠は新江戸噺から「鏡」。新江戸噺は、新しい落語の展開を求める師匠が私費を投じて募集する懸賞台本。毎年新しいネタに挑戦しています。不細工な娘がいい男と夫婦になるが、そこには意地悪な姑が。。。美人だった姑は顔に火傷を負ってから鏡を見ることがなく、不細工な嫁も鏡を見ることはなかった。よく尽くした嫁が姑の死後、形見の鏡を覗いてみると。。。、女の命、鏡がキーとなった新作人情噺、師匠の巧みな話芸が光る。 お仲入りの後も夢吉さん。ネタは珍しい「てれすこ」。見たこともない魚が御奉行に献上された。誰も名を知らず、知っている者に百両の賞金とのおふれ。知ったかぶりの男、百両に目が眩み。。。こういうネタをかける夢吉さん、末恐ろし。 トリはもちりん夢丸師匠。これも新江戸噺で「三文銭」。博打ですってんてんの男、往来で汚い着物を売ろうとすると、通りかかりの娘が、銭を3文恵んで行く。馬鹿にするないと投げ捨てようとした男、ふと我に返る。それから男は懐にこの三枚の銭を赤い糸に結んで持ち歩き、何かにつけてヒーフーミーと数えていた。心を入れ替えよく働く男は主人の目にとまり下働きから手代に。主人と二人、茶店で働く女に目がとまる。これも爽やか人情噺。人と人との出逢いと再会、ほのぼの人情の世界に夢見心地、一時世事を忘れました。落語って、いいもんですねえ。
さて、今月はもう一つ、ラジオデイズMANZAI Nigft。初めての試み、会場も西新宿のハーモニックホールという普段は音楽演奏会用の素敵な小ホールです。 出演は、今お江戸の寄席で大評判のロケット団、米粒写経という新進気鋭の漫才コンビ。ゲストは三味線漫談、柳家紫文師匠。寄席でお馴染み長谷川平蔵もので笑わせてくれる。究極のワンパターン、色物の鏡だね。 米粒写経は、ずんぐりオヤジ体型の居島一平の古典的なしかし熱血型のボケと、長身でインテリ然としたサンキュータツオの冷めたツッコミの対比が効いてます。漫才実況中継は面白い。セールストークや人間味のあるカーナビというような日常的なことを根底にしながらも、ちょっとずらして爆笑の種を創り出している。時代錯誤の軍隊ネタも笑えます。目標としている芸人は、夢路いとし喜味こいしとのことだが、青空球児好児のコンビを思い出す。 そして東京のしゃべくり漫才で若手随一ともいえる実力派、ロケット団。サラリーマン出身の一見ツッコミ風ボケの三浦昌朗と劇団員出身の一見ボケ風ツッコミ倉本剛、時に攻守を代えるテンポのいいしゃべくり漫才。時事ネタに始まり山形方言、英会話、接客用語、医者、心理テスト、葬式と話題とおしゃべりは留まるところを知らずに飛びまくる。いやー、若手のパワーに圧倒され脳味噌に言葉が走り回った漫才ナイトでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年07月02日 13時28分51秒
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