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先日17年続いたTBSの報道バラエティが終わった。そこで報道された事件の合計放映時間ランキングの1位は、ダントツで2位を10倍引き離しオウム事件だった. このスタジオをオープンしたのは、ちょうど地下鉄サリン事件が起きた年だった。その後、バイクでの通勤途中に通る青山の事務所の玄関前にはいつもたくさんの報道陣が張っていた。そして教団幹部が刺し殺され、ほどなくサリンが彼らの仕業だと世間に知れわたると、教団とはおよそ似つかわしくないお洒落なビルは無人となった。たまに、どこかの会社が入っても、すぐに居なくなってしまい、今もそこには何か不気味さが漂っている。 昨日中央自動車道を奥多摩に向かっていた時、ふとその話題が頭に浮かび、教団施設の在った上九一色村に行ってみたくなった。たしか、その跡地にガリバー王国なる遊園地が出来たが、潰れてしまい、ガリバーが廃墟の中に横たわっていると聞いた事があって、未曾有の事件の現場と、ガリバーを一度見てみたかったのだ。 ひとりの少し目の不自由な肥満体の男が、ヨガ教室を始め「空を飛ぶことが出来る」さらには「ダライラマに日本での布教を託された」などと吹聴し善男善女を巧みにたぶらかし、一気に大きくなった教団本部施設をそこに造った。だが、王国の情報はカーナビにはすでに無く、道案内も出ていない。また誰に道を訊ねても、村民は総じてあまり良い顔をせず、行った事もないという人がほとんどだった。 やっとたどり着いた地域は、意外にも初秋のさわやかな風がすすきを揺らす高原だった。本題の王国は、高い工事用の塀に囲まれて、中をうかがい知る事は出来ない。ただ看板だけが、当該施設解体工事を知らせている。しかも、その事業主はアーバンコーポレート、先月巨額負債で倒産したディベロッパーだった。 ぼくは小さい頃ガリバーに憧れた、巨大な体で小人の国民を思いのままにあやつる快感を想像したのだ。麻原もそんな思いでいたのだろうか?皮肉にもその夢はハリボテだが、少しの間だけ実現し、富士の裾野に寝転がって空を仰ぐ事が出来たようだ。もっとも、本人は哀れ牢屋で糞尿まみれの痴呆状態なので、得意の幽体離脱の技を使いガリバーに乗り移れたらの話ではあったが、、、、 しかし、もちろん哀れなのは彼ではない、被害者の方はもちろんだが、その教えを唯一絶対の真理と信じ、犯罪の片棒を担ぎ、また、家族友人を巻き込んだことでその信頼を失った多くの信者達だ。自分の頭で考える事を放棄し、麻原の教えを無条件で信じた多くの若者達だ、、、、、 オウムに限らず、宇宙の星の数 ≒ 銀河系内の星の数×銀河の数 ≒ 千億×1兆=10^23(10の23乗)個の内でたった一つの「地球」という星の「人間」という野蛮な生き物の中の誰かひとりが、宇宙の絶対真理を説くという大言壮語を、信じる心優しい人々がこの国にいるという事実が、僕はどうしても信じられない。それとも、僕がひねくれているのだろうか、、、、? 宗教を否定するつもりは無い、信じる事で救われるならそれでいいだろう。ただ、家庭や地域で、また国々や、もちろん個人個人で違う価値観を「絶対真理」という独りよがりの理屈でひとくくりにされるのだけはごめんだと、負の連鎖(言い換えれば、これこそが絶対真理ではないか!?)の象徴のようなフェンスを前に思うのだった。 アーニーズ・スタジオ 井村重人 107-0062 東京都港区南青山3-13-22 善光堂ビルB1F 03-3402-4535 HP:www.ernies-studio.com email: ernie@ruby.famille.ne.jp お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.09.25 19:05:46
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