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カテゴリ:ラジオ
今回は映像コンテンツではありませんが、聞くだけで映像が思い浮かぶような作品として、1つ紹介させていただきます。
かつて、「夜の停車駅」という深夜番組があったのをご存知ですか。 NHK FMが、1980年代前半頃、土曜深夜の1時間番組として放送していた番組です。 ======================== 「お忘れですか、あなたがここに立ち寄った時のことを…」 ロシアの大作曲家、セルゲイ・ラフマニノフが作曲した歌曲「ヴォカリーズ」。 この番組のオープニング、エンディングに、ソプラノ歌手アンナ・モッフォが歌うこの曲が採用されていました。 今でもこの「ヴォカリーズ」を聴くとこの番組を思い出す、というヒトがいます。 私もその一人です。 「白い蒸気を残して列車が去ってしまうと、そのあとには誰もいないプラットホーム…」 ナレーションを担当していたのは、俳優・江守徹さん。 文学座俳優として名高い同氏でありますが、昔から特徴的なナレーションでも有名です。 「古風な時計がいつもと違う時を刻んでいます…」 毎回の放送にそれぞれ古典的テーマがあって、深夜に相応しい哀愁ただようクラシック音楽が合間を奏でます。 「そう、確かにここに降り立った記憶があるはずです、しっとりとした闇にくるまれた夜の停車駅に…」 番組の構成は、厳かなクラシック音楽中心ですが、時折入る江守氏のナレーションが、深夜の趣を深いものにします。 ======================== 番組の後半は、江守氏による詩の朗読。 テーマは、哲学、宗教、神話、御伽噺など、深夜に相応しいものばかりです。 クラシック音楽が控えめに流れつつ、やはりエンディングは「ヴォカリーズ」で終わります。 江守氏が最後に語る一言、「人生とは、なんだろう…」。 印象的です。。 ======================== 当時の放送をテープに録音していたヒトがいますが、これはまさにお宝でしょう。 私も当時録音したようなしなかったような記憶が。。 未だに見つかりません。 詳しいヒトの話によれば、この「夜の停車駅」第一回放送のテーマは「12のコルシカの歌」だったとか。 アンリ・トマジ作曲の同名歌曲を中心とした番組構成だったそうです。 ちなみに、フォーレ作曲「パヴァーヌ」も同時に取り上げられたようです。 いやあ、私は最初から聴いていなかったのですが、第一回から本当に荘厳な番組だったのですね。 ======================== 余談ですが、あの韓流ブームの元祖「冬のソナタ」第18話にも「ヴォカリーズ」が採用されています。 あの話には本当ピッタリの曲です。 ======================== NHKには、是非とも「夜の停車駅」オムニバスアルバムを発売してほしいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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