常緑樹15 街も、人も、明日も…

タイトル「街も、人も、明日も元気でいたい」
(平成13年8月号 2002/7/20)

なんとなく落ちつかない毎日、みんなイライラしている。

先日ある混雑した安売りスーパーの通路で、前に人がいたので待っていたら、後からジャマだジャマだと背中をつつかれた。
混んでいるから待ってくださいよ、といってもグイグイ押してくる。
何を焦っているのか、見ると若造でもなく、普通の分別あるはずのオヤジ。
押されるように外に出ても、まだ何かいっている。
雨の日で傘を手にしているから、少しばかり気持ちが悪い。
しつこくモゴモゴ、グチャグチャいっていたが最後は捨て台詞を残して去っていった。
中年のオヤジは、背中も疲れているし、うしろ姿も塞いでいる。

ひょっとしたらリストラされたの?
一所懸命身を粉にして働いてきたのに、何で俺がクビなの?
これからどうしたらいいの?
降って湧いたような身の不幸に唖然として、いわゆるパニック状態、あるいは奥さんや子供からやいのやいのと責められて出かけてきたのかもしれない。
かわいそうだが、暗い八つ当たりはいただけない。

でも新聞を見てもパッとした話がない。
ずるい人がつかまって、ちょっとは溜飲を下げたが、ほとんどは解せないことや腑に落ちないことだらけ。
お粗末な話題の連続にみんな怒って、呆れて、諦めている。
そして気持が萎えてくる。
街も疲れて、まるで眠っているよう。

そこで、これまでも伝えてきたが、少しでも街が元気になるよう楽しい話題をいくつか。
一つは、8月17日と18日の学生諸君のミュージカル公演。これを見たら元気になること請け合い。
彼らのひたむきさが疲れた身体にエネルギーをくれる。
「街を元気に!2002年『月の船』札幌公演実行委員会」を立ち上げ、不肖私が代表を務めさせていただいているが、応援するなどとは名ばかりで、自分の楽しみのためにワァワァいっている感じ。

次は10月8日、9日にアクセスサッポロで開催される北海道トラックショー。
日ごろ接することの少ないトラックを間近に見て、物流面から産業を見たり、交通安全や環境問題など話題を仕込むのもいい。
とにかくこのショーの主催者七六歳、「非悠悠漫筆」著者、増田周作氏の熱意が感じられる。

最後に前号で紹介した平岸天神。
12月15日に厚生年金会館で記念公演を実施する。
その場限りではない保存会の活動が、街づくりに視線を合わせていて素晴らしい。これも若者のパワーがまぶしそうで、必見。

リストラ経験者としてはとにかく足を一歩前に踏み出すことが大事と思う。
ワイワイガヤガヤやりながら、その向こう側に何か面白いものが出てくればいい。
面白がることから始めたいと思う。


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