一日一回誰かを笑顔にする会

2006/12/20(水)21:42

私が神経内科を選んだわけ

生き方上手(24)

今日のお昼休みに内科の先生と一緒に食事をしていて、なぜか「どうしてこの科を選んだか」という話になりました。その先生とはもうまる6年も一緒に働いているのに、そんな話をするのは初めてです。 神経内科の領域にもいくつかの大きな専門があって、私の専門領域はアルツハイマー病やパーキンソン病などの「変性疾患」という領域です。ここ数日、NHKで認知症の特集をやっていて、今日も「20年前には考えられなかったくらい治療法が進歩してきている」という話をしていました。高齢化社会で、認知症の患者さんも増加の一途。その中で、現在は症状の進行を遅らせる薬しかありませんが、根本的治療の薬が種々開発されてきています。テレビを見ながら、私自身かなり明るい気持ちになってきました。 神経内科の中で、もう一つメジャーなのは脳卒中の分野です。脳卒中だけ独立している病院なども多いわけですが、神経内科医の中には、この分野に非常に興味を持っている先生も多くいます。変性疾患は徐々に進行する病気で、脳卒中は突然発症、急速進行ということで、病気の性格が全然違います。それぞれに性格が合う、合わないがあって、多分、みんな自分の性格に合った領域を専門に選んでいるのだと思います。 私自身は、「脳科学に興味があったから」という至ってシンプルな理由で神経内科を選びました。精神科も考えたんですけど、精神科の患者さんは少し苦手な気がして、放射線科も考えたんですけど、もう少し対人相手の方がいい気がして、そんなこんなで神経内科を選び現在に至ります。 ちょっと誤算だったのは、神経内科の専門医試験がものすごーーーーく難しかったことです。いやー、ホント大変でした。でも、お蔭様で、専門学校の講義で国家試験的なポイントを熟知して教えてあげることが出来ます!人間、何でも無駄なことはありません。「臨床的にはこの病気の患者さんは多くないけど、試験問題的には良く出る分野です」なんてこともしょっちゅうです。 内科の専門医試験対策のビデオ集なんて、50万円ぐらいで発売されていたりするんですよー。それを引き合いにすると、私の持っている試験関係の知識もウン十万の価値はありそうでしょ? 今日一緒に話していた先生は、自分の専門の科の病気に自分が罹っていたからなんですって。そういう先生も確かに結構知っています。肝炎で肝臓を専門にした、糖尿病でそれを専門にした、血友病で血液内科を専門にした、などなど・・・そういう先生は患者さんの気持ちがよく分かります。 医者にもいろいろな人生があります。

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