「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」にがっかり
DVDで三池崇史監督の「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」。公開前から期待の作品だった。「三池崇史がマカロニ・ウエスタンにオマージュを捧げながら日本ならではのウエスタンを作る」と聞けば、期待が高まるのも当然のこと。今までもやくざ映画やホラー映画で、独自の世界を展開してきた三池監督。マカロニをどう料理するか。 …しかしながら、その出来は何とも残念なものだった。こじんまりとまとまっている感じ。役者も個性派が揃っているし、マカロニからの引用もそこここにちりばめてある。にもかかわらず、どうも窮屈な作品なのである。 ボクの好きな三池崇史の作品には、どれも枠からはみでる面白さや枠を突き破るパワーがあった。しかし、本作にはそれがない。もともとマカロニ・ウエスタンが従来の西部劇の枠を突き破る映画だったからだろうか。マカロニ・ウエスタンへのオマージュが、なんだか作品の活力を殺しているような気がするのだ。 そうえいば、三池崇史という監督は、いわゆる大作やメジャーな作品になると、なぜか無難な作品を作ってしまう傾向があるような気がする。根っからの商業監督だからなのだろうか。この映画も、いくつも良いシーンがあり、シナリオも悪くないのに、どこかまとまりすぎている印象がある。ひょっとしたら、単に三池崇史に慣れすぎて、刺激を刺激と感じなくなっているだけかもしれないけど…。