だんどりはちふん,ではありません。だんどりはちぶ,です。
良く知られた言葉だと思いますが,何かやろうとするときに段取りがその8割を占めるという位の意味です。
この言葉を最初に聞いたのは,機械工場に勤めていたときです。一つの大きな機械を製作するために,旋盤(金属を旋回させて削る機械),フライス盤(金属を固定して平らに削る機械),研磨などの作業で金属部品を作ったり,片や鋳物工場からの部品,外部からの購入品などを組み合わせていました。
このときにそれぞれの部署,例えばフライス盤加工者が行う「素材を削る作業」自体はもちろん大切なのですが,作業をする前に順序を考え,その準備がきちんと出来れば,全工程を10としたときにその8割が終わっているということでした。
どうやっても先が見えないときは「とりあえず」で始めないと仕方ありませんが,
見ようとすれば先が見えるときは「とりあえず」で始めてはいけないのです。
いよいよこちらでも車両が届き始めたようです。事務手続きなどもあるでしょうしこちらの都合もありますから,納車はこの週末以降になると思います。
今回,納車されてからすぐに若干の整備を予定しているので,工具店に寄ったりしてその準備にモレはないかを考えています。
まあそれは個人的にやれば良い話なのですが,その中でサービスマニュアルを読んで注意しなければならないなと思った点があるので,今後の「段取り」の参考に抜き出しておきます。
【整備を始める前に】
・バッテリーケーブルを取り外す際は,マイナス端子から外す。
・整備の前には必ず清掃(洗車)してから。
・消耗部品の再利用はNG(=そういう部品はあらかじめ買っておかないといけない)
・取り外し,分解の際は元に戻せるよう目印をつけるなり記録するなりする。(カワサキが推奨している)
・締めつけの際は順序良く締めつける。例えば多くのネジで止める場合,対角線上に締めていく。
・締めつけは指定トルクで。緩すぎても強すぎても重大な事故になることがある。(=トルクレンチが必要・・一応買ってあります)
・作業に異常な困難を感じる場合,その方法でやってはいけない。
・ガスケットやロック剤は適量厳守。多すぎてはみだすと悪影響が出る。
・オイルやグリースは適材適所。他の目的のものを流用しない。
・計器を使う時は正しい計器を基準にしないと,間違った調整になる。
【定期点検整備】
・シビアコンディションと呼ばれる状況があり,その場合定期点検整備項目が追加になる。
(恒常的な走行で悪路走行が30%以上,6か月間の走行距離が3000km以上,山道,投降坂路が30%以上,の3種が列記されています)
・距離で決まる交換部品と,年月で決まる交換部品がある。
<1か月>
・エンジンオイルとオイルフィルター(これ以降は距離による)。
・最低1か月に一度は空気圧を,必ず冷えた状態で確認する。
・最低1か月に一度はチェーンの緩みを確認する。
<2年>
・エアクリーナエレメント
・ブレーキ液
<4年>
・ブレーキ関係一式(ホースも!)。パッドはその時の状態により継続使用しても良さそう。
・燃料ホース
<6000km>
・エンジンオイル
<18000km>
・オイルフィルタ
・冷却液を補充する際,水だけ足してはいけない。
・洗車や雨中走行後は必ずグリスアップ
・エンジンオイルに摩擦を低減させる添加剤を入れてはいけない(マニュアルで明記。クラッチ他に悪影響を与えることがある)。
・エンジンオイルの指定粘度10W-40は,状況により調整することが推奨されている(入れ換えろってことですね)。
この手のことに興味を持たれる方は少ないでしょうが,深めたい場合はサービスマニュアルが必要です。もっと詳しく書いてあります。