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カテゴリ:絵画.・アート
「月の砂漠をはるばると」で始まる童謡のお好きな方がいらっしゃいました。この方は、また絵画コレクターでもあって、バブル経済最盛期に、ゴッホとルノワールの代表作をサザビーズのオークションで「ほんの小遣い」の150億円という巨額で落札し、金満日本の象徴として、報道されました。 しかし、時は巡り、この方が代表を勤めていた会社が人手にわたり、この話題の絵画も姿消てしまったそうです。 このゴッホやルノワールが象徴するような出来事が、日本の各地で起こり、その中でさまざまな絵画が、海外へ流出したり、金融機関の担保として倉庫で眠りに着いたりしているそうです。(糸井 恵 著「消えた名画を探して」(時事通信社刊)) まさにバブルの最盛期とその崩壊の象徴を絵画が担ったのでした。 この本で、糸井さんが、このような動きの対極として挙げられているのが、倉敷の大原美術館です。大原美術館の創生にかかわり、自分の画業よりも、100年先の日本のことを考えて身命を賭して絵画の収集に当たった児島虎次郎と、その後援者である大原孫三郎氏のことを思うと、「篤志」と言う言葉が生きていた時代が見えてくるような気がします。
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