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カテゴリ:絵画.・アート
『青いターバンの少女』は、47cm×40cmという小品ではあるが、黒い背景の中、こちらを振り向き、唇を少し開き加減にした少女の表情が生き生きと描写されいる忘れがたい印象の作品である。 暗い色調が、しかし強烈な印象を与えるのは、少女が纏っている青いターバンの色が画面全体に鮮やかな彩を与えているからであろう。 この青は、アフガニスタン産のラピスラズリという鉱石から作られる特別な青であり、その値は同じ重さの金に相当するの、非常に希少で高価な顔料であったという。ラピスはラテン語で「石」、ラズリはペルシア語で「空」の意味であると言う。 この青については、当時のフランドルで、画家に絵を発注する際、金とラピスラズリ顔料だけは、使用量を契約で取り決めていたという。 オランダの特産品に、デルフト陶器があるが、これも青を基調とした染付けが施された陶器である。染付けのことを中国で「青花」といい、中国陶磁の染付けは、欧州の王侯貴族に珍重され、マイセン、ロイヤルコペンハーゲンそしてこのデルフト陶器に大きな影響を与えている。人々は、金と同じ度合いで青に憧れたのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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