2007/05/30(水)13:23
5/26 T署定例その1
先週土曜日、T署定例が開催された。
この晴海会場は、警察系スクール随一の広いコースを持つため、現実に近い環境での練習
も可能で、運営側(警察署、指導員)もここならではの練習メニューを考えてコース設定を行おう
としている。
ところが今回は残念ながら、通常”スラロームコースを設定”するエリア(海側)を午前中いっぱい
消防庁の
『 災害演習(消防訓練) 』
で使われていたため、少し変則的な運用を強いられる事となったのが少し残念だった。>供用設備なので仕方ない
消防側の利用時間は午前中という事だったが、かなり大掛かりな施設&設備投入が
なされ、撤収に相当手間がかかる事が想定されたため、”スラロームコースを設定”する
エリア(海側)には
”撤収が終わった空間のみ”
に、スクール開始(13時)までに
”準備できるセクション”
を作るという方針に変更し、「8の字」を複数個(20個程度)用意することで妥協した。
運河側のバランスコースはいつも通り使えたため、こんなコース(下図)を作成。
<バランスコース>
設置セクション:
1.フル加速&ブレーキ(Stop & Go ! )
2.オフセットスラローム
3.直線パイロンスラローム(変則型)
4.千鳥& 「く」の字一本橋
ところで、T署定例では、ある程度講習会に慣れた受講生さん向けに毎回
コース上に『罠』や『謎』を意図的に作り出している。
走行中に解いてもらい、安全マージンについて考えてもらっている。
今回の隠れテーマはちょっと難しく、『状況判断力』。
「自分は、どこをどのように走れば良いのか」
という事を瞬時に判断して ”適切な走行ラインを見つける事”。これが見つからないと
”なかなか思うように走れない” ように作ってあった。
これを見つけられた受講生さんが居たら、是非連絡を。
何か、かなりいい物を進呈しませう。それと、主催する側にまわってはどうでしょう?
さて、本題。”文才”が全く無いし、いくら書いても相変わらず成長しないため、
長文を避けるために今日話題に取り上げるのはひとつのセクションに絞ってみたい。
<フル加速&ブレーキ(Stop & Go ! ) セクション>
出来る限りアクセルを開けてもらい加速、ギリギリまでブレーキを我慢して『急減速』、
端のパイロンのトコロで180度ターンして、またフル加速する。 直線区間は、50m程度。
大排気量車なら、その気になれば結構速度は出せる。
オートバイの機動性を生かすための練習ではある。でも実は本当の狙いはブレーキの練習。
ではなぜ「普通の制動(ブレーキ)セクション」としなかったのかといえば、
普通の制動(ブレーキ)練習では『加速区間(助走距離)』に余裕があり、普通街中でやっている
発進に近い感覚で加速できるため ”心にゆとり”があり、又
”前方に並んでるパイロンでブレーキを開始すればいいんだ”
という心構えができているから、ちょっと慣れれば意外と上手く減速する事が可能となる。
ところが、アクセルを大きく開けて強い加速をすると、途端に
”心にゆとりが無くなり”
周りのモノが見えなくなる。また、”ブレーキを掛け始めていい”という目標物が無いから操作もスムーズに行かなくなり、多くの人がギリギリまで我慢して
”強いブレーキで『急減速』する事”
が出来なくなってしまう。
公道で急ブレーキを掛ける事態というのは、まさに突然、心構えなど無い状態で
”ブレーキを掛けなければならない”し
目標物が無い状態で遭遇するわけだから...。
という訳で、まずは”この心理状態”を克服する事が練習のテーマ。
で、これを乗り越えた受講生が見つけ出さなければならないのが、コース図上につけた
『ピンク丸印』。
実際のコースには、ラインも書かれていないし、丸印もついていない。単なる空間と
パイロンの位置から想像力を働かせて、隠されたヒントを探し当てる。
ここを見つけ出してオートバイを誘導すれば、実にスムーズにコースを走る事が出来るようになっていた。
居並ぶパイロンの中で惑わされること無く、冷静に自分が走るべき安全なラインを瞬時に
見つけだし冷静に的確な操作を行う。
そうすれば、安全マージンが生まれ更なる困難な事態に遭遇しても対処が可能となる訳。
これらが、このセクションにこめられた『意図』と『謎』でした。--次回に続く