FANTA-G

2008/10/02(木)22:29

ノベルゲーム考:背景画の枚数の重要性

ノベルゲームを作るにあたって、自分でいろいろ思っていたことを実験したのですが、そんな中、以前からもしかしてノベルゲームの画面作りにおいてキャラの立ち絵の枚数より、背景絵の多さの方が大切なんじゃないかと思ったりして。  ノベルゲームって「画面が動かない(変化が無い)」ものの極地な気がします。いわゆる紙芝居にセリフ文字を読ませるという手法をとっているので、画面が冗長になりやすい宿命を持っています。(ゆめりあなど立ち絵キャラがアニメする例外もありますけど)  そんな中、例えば原稿用紙5枚、2000文字のテキストを読ませる場合でも、背後の絵を細かく入れ替えて移動時間列にそって読ませるのでは、雰囲気がガラッと変わります。  学校校門から自宅に移動の際、友人と話しながら歩く同じテキストでも  学校校門>帰り道>自宅前 という3枚と  学校校門>帰り道1>商店街>駅前>帰り道2>自宅前  という6枚では、文章を読んだ感覚がまったく違う。これは私も実験してみて驚いたのですが、後者の方がはるかに受け入れやすい、というか文章の長さを感じさせないだけでなく、一緒に歩いている一体感を感じます。 また、背景が多いといろんな演出が使えます。例として、セリフではハアハアと呼吸のみテキストを書き、背景を次々と入れ替えて走っている感じを表現したり、思い出がよみがえるフラッシュバックのような演出など。また、いちいち場面描写(風景描写)しなくても背景を入れ替えるだけで場所移動をプレイヤーに認識させるので、説明テキストがカットでき、ユーザーにも見た目にも変化がついてわかりやすいです。  同人ノベルゲームって、キャラを書くことに一生懸命で背景の変化が物足りない(枚数が圧倒的に足りない)のは、キャラ絵を描くのは好きだけど、背景を書くのは苦手、あるいは面倒くさいと思っている人が多いからだと思います。ですが、特に長文になりがちなテキストノベルの場合、場面変化はテキストをリズムよく読ませる手法として、とても重要だと思います。 特に物語が急展開する後半などでは場面をパッパと変えていくと疾走感もうまれて、一枚のビジュアルシーンを書き込むより、またテキストを長々と書くより印象強く物語を展開できます。  また、背景画は慣れると本当に簡単に描けます。私は以前、アニメの背景を描かれていた先輩に「一時間塗り」と呼ばれる一枚の背景を一時間程度でそれなりに着色できる方法を教わったので(TVアニメの世界では大量の背景を消費するので、パターン化、効率化がすごい)この技法は大変重宝しました。絵、そのもののクオリティーはさほど必要はありません。要はパターンが多いことが重要なので。  と、いうわけで前回お話した、後半に行くにしたがって印象がどんどん弱くなるキャラ立ち絵パターンを増やすより、背景画を増やした方がノベルの演出として効果的かも、というお話。

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