FANTA-G

2022/05/22(日)23:48

プログラマー&3Dモデラーブチ切れ案件

先日、プログラマー&3Dモデラーブチ切れ案件というのがあって。  ある程度まで制作の進んでいるゲームで、データそのものはすでに量産体制に入っていたのですが、クライアントが「ゲーム内でキャラクターの衣服の色をユーザーが自由に変更できるようにして」といってきたのでそれをやってほしい、と・・・  これは地雷です!  まず、すでに量産体制に入ったということは各キャラクターのデータの持ち方が確定している、ということ。つまり、その方法を崩してフォーマットを一から作り直す(可変できる色という要素を追加する)ことになるので、場合によってはこれまで作っていたデータがすべて無駄になる、再出力が必要になります。  また、単純に「色を変えられるようにして」といっても、3Dモデルにはすでにテクスチャが貼られている。その色味を変えるというのはテクスチャーそのものを色が変更できるもの(具体的にはベースの色を加算する)にしなければいけなくなり、これも厄介。書いたものがすべて無駄になる場合もある。  つまり、これは虎の尾案件で。「無理です!」「できません!」の猛反対。しかし企画の人はそれほどの一大事だと思ってなかったようでぽかんとしてましたが。  こういうのは仕事でよくあって、最初から想定していたものが使われなくなった、はいいんです。そこだけふさぐだけですから。しかし、こういったものは図面通り家を建てて内装をしている段階で「あ、ちょっと追加でここに水道をもう一つ引いて」ぐらいの大事なんです。出ているのは蛇口だけかもしれませんが、それに対する配管、その水の排水をどこに流すか、で、壁をもう一度ぶち破って水道、下水管につながなくてはいけないと言えば、大変さがおわかりになるでしょうか。  たとえば私のようなモーションアニメータの場合でも、急に「基本の立ちポーズを、足が右前だったのを左前の構えに変更したい」なんてことを言われたらブチ切れ案件です。その基本ポーズから派生、帰着するアニメーション全部を修正しなければならなくなる。さらに前に出した足を起点にコンボが始まっているように作っていたら、それらもすべて作り直しになる。  こういうのはデータを見る解像度の問題。特に開発中盤以降、よく知らない人間が基礎的な部分を「ここ、ちょっと変えればいいだけでしょ」なんて提案は本当に「この修正を行うことでスケジュールが崩壊することも覚悟の上での提案でしょうね(圧)」と言わなければいけない。

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