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僕は耳が悪いので、仕事でも不自由な思いをしているのですが、
補聴器は極端に高く、眼鏡のように普及していません。 若い頃、さすがに会議で中心的になって話すには必要だと思い補聴器を買いに行ったら、 国産の補聴器は単なる増幅器で、人間の声も雑音も音楽も一様に増幅するので、 「音は聞こえるけど、何を言っているのかが分からない」状態になり役に立たず、 かと言って、シーメンス等外国製の補聴器は片耳が30万円以上して手が出ません。 その時に良く分かりましたが、 補聴器は両耳に付けないと意味が有りません。 まず、音のする方向が分からない。 会議でマイクの向いている社長の言うことは聞こえるけど。 専務の方向は向いてないので聞こえないと言うのはひんしゅくを買います。 しかも音は距離の3乗に比例して小さくなるので、 (立体角の概念からすると2乗らしいですが、僕には空間容量に反比例するように聞こえます。) 会議の席の配置によっては立ち位置により数十倍の音量差が有りますので聞き取れなくなります。 人間の耳と言うか耳+脳はそれを瞬時に自動調整しているのですね。 それには両耳とも補聴器を付けて、脳みそに適切な入力をする必要があるようです。 そこで性能麺は、ある程度は諦めて、 過去のブログで紹介したAudioComm(オーム電機の集音器)を使っています。 4000円程度で両耳用で音質とバランスも調整出来ます。 特にマイク付きイヤホンが秀逸でイヤホンと近い位置(つまり両耳の近く)にマイクが有るので、 ちゃんと左右の区別もつき距離感が分かります。 でも、最近はこれだけでは足らなくなってきました。 96dBの音圧レベルが有るのにダメなんて、どれほどダメな耳なのかと情けなくなりますが、 現実は厳しい。市販品ではもう無理みたいです。 そこで市販品は諦めて自分で作ってみることにしました。 最初は愛天堂でマイクアンプを探してみましたが、ステレオタイプが無い。 また、片耳でもマイクアンプだけでは必要な増幅度は得られない。 なので、マイクアンプを2個+ヘッドホンアンプの形にしてみることにしました。 で、完成作が下の写真です。 ![]() マイクは最初は左右に180度開くように考えましたが、そうすると正面が聞こえないので、 90度の角度にして正面は(右+左)となるようにしました。 実際は上の写真よりマイクを広げて、90度→120度くらいにしています。 ただ、人間の耳を考えると、プラスティック板を加工して「耳たぶ」を作った方が良いかも? マイクアンプ出力はヘッドホンのインピーダンスに合わせて16オームにしようと思いましたが、 実際には32オームにしています。 その際に大事なことが分かりました。 K-MIC3TRは3V電源なので、 3端子レギュレーターでヘッドホンアンプの9Vから3Vを作っています。 その時に同じ9Vから電源を取ると左右のマイクアンプの出力がトランジスターの直出力なので、 アースを共通には出来ないので、 左右のマイクアンプの出力はアース側をコンデンサーで切って出力しています。 で、結果ですが、ハッキリ言って全然、まだまだです。 ラジオで言うと鳴っただけ。 まず増幅度は十分なのですが、 床(テーブル)に置くとテーブルの上の物の動作音がすごくてダメです。 また、音質の調整が出来ないと低音側にするとモゴモゴ言うし、 高音側にするとキンキン音で使えません。 イヤホンにしたのは正解です。イヤホンにしたおかげで増幅度を上げてもハウリングが防げます。 欲を言えば、もっと勉強してアナログで増幅するのではなくDSPにすべきだと思いました。 国産の補聴器に比べてシーメンス等外国製の補聴器が優れて(値段が高い)いるのは、 DSP(デジタルサウンドプロセッサー)を使っているからです。 補聴器に要求される最大のポイントは識別性です。聞きたい音だけ聞くことです。 周囲の不要な音(例えば自動車の音や息づかい)は消したい。 急激な音やキィキィ言う不快な音は聞きたくない。 「し」と「ち」等聞き分けにくい音や鼻濁音、 シーメンス等外国製の補聴器はDSPにより音を演算処理して、 例えば急激な入力はレベルを落としたり、人間の声だけは他の音よりも大きくしたり、 ちょうど人間の脳がやる処理を内蔵したマイクロプロセッサーで処理しています。 次の段階はラズパイ等プロセッサーや音響関係の勉強をしてDSP補聴器を自作してみたいな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
ぼくとしちゃんさんへ
aitendo のホームページに補聴器キット出てますね。ただ、一般的に医療機器ですので、キット品は構造を知るためのものかと思います。 (August 27, 2020 04:17:17 AM)
やまさんさんへ
仰る通りで、医療機器なので「試作」は良いのですが「販売」してはダメかもしれませんね。 愛天堂の「補聴器」は医療機器としての基準を満たしていません。 ほとんど「おもちゃ」です。 仰るように構造(必要な性能)を知ることさえ難しいと思います。 なので僕ら障害者は「集音器」と正式には呼んでいます。 集音器は障害者が購入する際の資金補助の対象外です。 実は僕が使っている機器も「補聴器」ではなく「集音器」が正式名称です。 試作をすると色々と分かりますよ。 特に日本の機器の技術の遅れがひどいです。 中国製品でさえデジタル化して雑音処理しているのに、 日本の製品はデジタル化した物はめちゃめちゃ高いし、使えないし、ダメです。 厚生労働省のお役人様が自分の天下り先確保の為に、使いやすさよりも業界保護を優先しているからだと思いますね。 話は変わりますが、補聴器の購入を考えておられるなら両耳にすると良いです。 片耳ですと生活に不便ですよ。 僕の集音器はイヤホンとマイクが2つづつある両耳タイプです。 音のする方向が分かるって大事ですね。 (August 27, 2020 05:52:06 AM)
あっ、と思って再度見たら手元に自分も作ってありました。今年の春先でした(笑)。
自分は子供が発達障害で、声のトーンコントロールが出来ず、大声ではしゃぐことが多く、学校からVUレベルメーターを作って欲しいと依頼があり、これを元にレベルメーターを動かせば…と組んだ訳です。 結果、動きませんでした。あとスピーカーを繋ぎましたが、これスピーカーを鳴動させるだけの増幅度が得られないようです。 そこで、K-MIC386Aをつくり、そちらをVUメーターに使いました。ただ難点は電圧がやや高いのですが…。 確かにイヤホン使いの集音器ならいけるかもしれません。 (May 10, 2024 08:50:39 PM)
やまさんさんへ
耳の良い人には分かりにくいと思いますが、難聴と言うのは多くの場合聞こえないだけではなく「聞き取れない場合」が多いのです。目で言えば乱視です。なので他の音が入るとより聞こえなくなるので、イヤホンを使う方が有利です。本当は細かい音質コントロールが使える方が良いので医療用の場合はたいてい5~6点くらいの周波数ポイント(例えば50Jz、250Hz、1000Hz、2000Hz、5000Hzとかです)におけるゲインを個別にコントロール可能になっています。僕の場合は低い音は聞こえるので50Hzでは0dBですが、1000Hz以上ではほとんど聞こえないので90dBの増幅度が必要です。20dBが10倍なので90dBだと2万倍に増幅しているわけです。高い周波数が聞こえないと聞き取れません。低い周波数は聞こえるので何か言っているなとは分かるのですが。まぁ今ではもっぱら筆談ですね。 (May 11, 2024 04:43:54 AM)
ぼくとしちゃんさんへ
自分も気持ちが分かりますよ。というのも、幼少期から聴力検査の高音が全く聞こえないんで…。でも生活に支障があるレベルではないので、検査の度にその説明はこちらからしてます。まあ、それが一番鬱陶しいんですけどね。 (May 11, 2024 11:37:33 AM) |