キャタピラー
ヒマだから。DVD借りちゃった。「キャタピラー」。主演の寺島しのぶさんが、この映画で。ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞したらしい。アタシの感想は。ビミョ~ 江戸川乱歩の「芋虫」と比べると。アタシは「芋虫」の方が好き。この映画は江戸川乱歩の「芋虫」を。「モチーフ」としているだけで。「芋虫」が原作ではないらしい。主人公の夫婦の設定は。「芋虫」ソックリなんだけどね。「キャタピラー」は反戦映画らしいけど。「芋虫」は、アタシ的には。特殊な状況下の男女の悲劇を描いた話。ただ、Wikipediaを見ると。乱歩がこの小説を書いた時代は戦争中で。反戦的な表現があまりに多すぎたらしい。という点を考慮すると。反戦小説といえなくないけど。そんなことは知らない。平和な時代に生れ育ったアタシから見れば。男女の悲劇だ。夫(久蔵)がお国のために戦地に送られ。負傷して家に帰されたのだけど。両手・両足切断。顔にも大怪我を負い。耳も聞こえず、会話もできず。唯一、目だけが機能する状態。映画では親兄弟のいる村に戻されるのだけど。小説では、上官のお情けで。上官のお屋敷の離れに住んでいたと思う。映画では。「家族愛」を高らかに謳う昨今の傾向とは真逆で。久蔵の父も妹も。「こんなカラダで返されても。。。」と。どえりゃ~イヤな顔をして スゴスギル嫁のシゲコを実家に帰さなかったのをコレ・サイワイに。一切の世話を彼女に押し付ける。命を捨てて勇敢に戦い。満身創痍となった久蔵は。「軍神」として。村の人々に崇め奉られる。「軍神」というは。アタシもよくわからないけど 漢字の感じから。「お国のために命をはったエライ人」ということだと思う。久蔵の勇敢な戦いぶりは新聞に大きく書かれ。国からは立派な勲章を授かり。それらを見るのが、当初の久蔵の楽しみだった。小説では「軍神」という言葉が出てきたか。サダカでないわ。でも、出てきたにしても。映画ほどアピールされてなかったと思う。小説では上官が貸してくれた離れで。夫婦はヒッソリ暮らしていたのだけど。映画では。シゲコが「軍神様」の夫をリヤカーに乗せ。村中、引っ張り回していたわ 小説の妻と違って。映画のシゲコは。かな~り外向的だ 夫を連れまわすのは。ひとつには。夫に対するいやがらせ なんだけど。そ~やって、「軍神様の妻」という立場を誇示しないと。介護生活が辛すぎるし、あまりに絶望的だからだ。ここからはネタバレになってしまうけど。最後に久蔵は。自殺するのよ。映画では。戦争中、レイプして殺した。中国人の女の子に対する罪の意識や。戦地で見た悲惨な光景がよみがえり。錯乱した、みたいな感じで描かれてるけど。ちなみに。久蔵が自殺した日が終戦の日という設定らしい。小説はあまりサダカでないけど。たぶん、妻との関係性だけが原因になってると思う。「芋虫」はわずか30ページほどのチョ~短編なのだけど。最後、久蔵が自殺するシーンが。ヒジョ~に不気味で物悲しい。それに比べたら。映画はかな~りアッサリしてる。アタシ、「芋虫」読んじゃってるから。公平に評価できないなぁ。やっぱ、「芋虫」の方がいいわ。ちなみに、昨夜、「芋虫」を読み返そうとしたし。いまも手元にあって、読み返すことは可能なんだけど。30ページしかないし。でも、なんか。もっとパワーのあるときでないと。読み返せない。みたいな。そんな重~いおハナシなのよ。【送料無料】キャタピラー価格:4,442円(税込、送料別)【送料無料】芋虫価格:540円(税込、送料別)