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カテゴリ:キューバ滞在記
サルサの貴公子とブエナ・ビスタ・ソシアル倶楽部の競演!!
キューバ滞在中に行ったライブの中でもっとも印象に残っているのはハバナ大学の正面階段を舞台にしての普段高い金を払ってライブに行けない一般国民向けの無料コンサート。 11月19日、10時くらいにガリアノのCasa de la MusicaにLos VanVanのライブに行くつもりでCasaを出た。しかしその日ハバナ大学でイサック・デルガドのコンサートがあると言う噂をルンバで有名なElGran Parenqueで聞いたのを思い出し、何だか気になるの歩いてハバナ大学に向かった。 現地はハバナ大学の正面玄関を舞台に、観客を階段下で待つ状況、 あんまり人だかりがない・・。スピーカーからCDでサルサやレゲトンなどがかかっている。これから有名なアーティストが出演するという雰囲気ではない。 本当なの?イサック・デルガードが出演するって・・。 「たぶんね・・」 時間つぶしにレゲトンなんかをしばらく踊っていると・・ ついに登場!イサック・デルガド!! 蒸し暑いハバナの夜にさわやかなイサックの声がひびく・・。 有名な歌Que pasa locoやProfesor de decimoも・・。 そして・・ ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのメンバーだったギタリストのエリアデス・オチョアが登場。 向かって左、ギターを持っているのがエリアデス・オチョア。マイクを持った帽子の奴がイサックデルガド 巨匠二人がSonやサルサで競演をした。 そのあとはタイトルを忘れたけど、 ♪ハバナを知るならサン・ラサロ(通り)。ベダードじゃない・・♪ というような意味の歌も印象的だった。 ハバナに着いた初日にCasaのあるちょっとおハイソで観光化されたベダド地区からガイド・ブックも持たずにセントロ・ハバナを歩き偶然通ったキュートな、それでいてちょっとアブナそうなサン・ラサロ通りの印象がよみがえった。 サン・ラサロに限らず少しアブナイけど、昔ながらの建物が並び、民衆の生活の匂いのするセントロ・ハバナこそハバナの雰囲気を一番伝えていると感じたものだ。 コンサートの最中、一人でステップをしていると、太った黒人が腰を回しながら “Baila a lo cubano!(キューバ人みたいに踊ってみて!)”と言ってきた。 なんということを・・でもほとんどの観客が腰を回している・・。パートナーポジションのサルサを踊っている人はほとんどいない。 回した。結構得意なの・・これ・・。受けたよ・・。 しかしもっとすごいのは斜め後ろの方が女の子が前で男の子が後ろに立って腰を密着させて回していたのだが、女のこの方が恍惚とした表情になっていたこと。音楽を聞いている雰囲気ではない。場所を変えた方がいいのに・・と思わずにいられなかった。 途中、すごい勢いで人垣が動いて、悲鳴が聞こえ、重い空気が流れた。 ケンカなの? 「いや、泥棒だよ・・。警官が取り押さえたから問題ない」 イサック・デルガードは舞台から消えていた。 舞台に主がいなくても観客は帰る気配を見せない。 イサック!イサック! ハバナの人々が一生懸命に声をかける。 そして・・再登場!イサック・デルガド。 再び歌い始める。 さて、またBaila a lo cubanoと言った人の友達にCasinoを踊ろうといわれる。 誘われて一緒に踊ってもらった。カウントが合わなくて苦労したけど、楽しかった。 たぶん、彼はソンの1,3,4でカウントを撮っていたのだと思う。 カシーノというのは踊りの形、スタイルのことで、基本的にサルサと同じ。一般的にソンにもあわせられるし、サルサにも合わせられる。 一般のキューバ人の中には“サルサを踊る”といわずに“カシーノを踊る”という人も多い。 「こいつカシネーロ(カシーノを踊る人、うまい人)なんだよね」というのは「サルセーロ(サルサを踊る人、うまい人)なんだよね」と理解しても問題はない。 観客は恐らくは入場料が月収と同じくらいかそれよりも高いCasa de la musicaのライブなどに縁がない人たちばかり・・。 心地よい夜の海風がふくハバナの街でしかしイサック・デルガドとハバナの人々が一体になっていた。 その音楽が生まれた場所で音楽がいきいきと息づいているのに感動を覚えた。 コンサートが終わり、ゴミだらけの中を23通りに向かう。さっき踊ったキューバ人連中がハバナ大学が革命の舞台であったことなどを語り始めた。 「革命のときにここで亡くなった学生たちの碑を見ると何だか自分も誇りに思うんだよね」 彼らにマレコン通りでしばらく過ごすことを誘われたが、23通りで彼らと別れ、私はタクシーで家に帰るふりをしてロス・バンバンの出演するガリアノのカサ・デ・ラ・ムシカに向かった。 その後いろいろなアーティストを見たけれど、このイサック・デルガドのハバナ大学でのコンサートがもっとも私に強い印象を与えたものとなった。 ハバナの人々の息づかい。音楽と民衆が一体になった空気。 クスコに帰ってきてからも何度も何度もこの話を聞かせることになったのだ・・。 イサック・デルガード/プロイビード カリエンテ! ~ ライヴ・イン・ハバナ 【ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ 】 アフロ・キューバン・オールスターズ ライヴ・イン・ジャパン ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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