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Kausachun Qosqo

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2007.08.30
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高山病にならないか心配したくらいダンデンはテンション高かった。

急遽決まったかコンサートの告知は前夜ニーチェのコンサートの前にチラシをもらって知った。

フアン・カルロス・アルフォンソ・イ・ス・ダンデン(Juan Carlos Alfonso y su Dan Den)ねぇ~。なんでこのグループこんなに人気があるんだろう?
Mi CuerpoにしろPor telefonoにしろ歌詞が幼稚だし~。

チャランガ・アバネラとかロス・バンバンのようなティンバが入ったガンガン行くサウンドが好きな私にはシンプルなダンデンの曲は退屈・・。

そのシンプルさ、わかりやすさがペルー人に受けているんだけど・・。

でも行こうかしら・・。
キューバだし・・。

入場料15ソル?
ペルーじゃ大人気のグループにしては安すぎない?
50ソーレスだという噂もあったけど、電話で確認するとやっぱり15ソーレス。

臭う・・・くさいぞ・・。

以前新聞でキューバ・ペルー友好の家なるものがペルー全国各地にできているのだという。クスコでも近頃キューバ映画の上映会が開かれるようになった。このキューバ友好の家の主宰だ・・。
新聞ではカストロ、チャベス(ベネズエラ大統領)、モラレス(ボリビア大統領)といった共産主義拡大の先鋒なのだといった論調だった。

この安すぎる入場料にキューバ、ベネズエラ、ボリビア共産主義拡大包囲網の運動が見え隠れしてなんかいや~な気がした。
キューバに旅行して、キューバの音楽のとりこになっても、キューバの政治には疑問を感じた私・・。カストロ信奉者にはなれなかった・・。

さて、それはともかく・・。
この週末は仕事がないし~、夜までのんびり読書をしながらすごそうとしていると・・
会社から電話が・・明日の便の到着時間って・・。
仕事?
聞いてなかったわよ~~~!!
でも、コンサートに行く意思は変わらない。

深夜11時、家から徒歩で5分弱のアベニダ・エル・ソルのCaosへ行く。

どちらかといえばロック系のディスコ。
せっかくキューバのグループが演奏するにもかかわらず、普通のロック・ポップ、サルサがかかっている。
キューバと言えばヘミングウェイも飲んだというモヒート。
ドリンク・メニューにあったので頼もうとしたが・・できないって・・
仕様がないので「自由なキューバというのはウソである。だってキューバには自由はないから(Cuba libre es una mentira, es que en cuba no existe la libertad)」なんてつぶやきながらキューバリブレを頼む。

11時30分開始の予定が12時15分にコンサート開始。

舞台奥の幕があげられると、そこにはRon Cartavioの文字が・・。



カルタヴィオ12年 1929

なんでペルーのラム酒が!

キューバといえば、ハバナクラブでしょう?

カルタビオはペルー北部、トルヒージョ近くのカルタビオの町で作られている・・。
トゥルヒージョといえば・・踊りはマリネラ・ノルテーニャ・・。

日本だったら普通キューバイベントと言えば<がでてくるはず・・。葉巻、キューバツアーのプロモーションもくっついて・・。
キューバにとっては海外にアーティストを出すのはペルーが金や銀を、日本が家電製品や自動車を輸出するのと同じなのだ。
そしてアーティストのイメージにくっついて他の商品も売り出す。

ボーカルの少年ボイスのバルベリータ、と男性ボーカルが前列、その後ろ中央にファン・カルロス・アルフォンソ、その両脇にボンゴ、コーラスの女性、さらに後ろにトロンボーン
満員の箱の中、なんとか2~3列目に割り込む・・。
テンションの高い演奏がそのまま伝わってくる。一緒に来た友達二人は恐れをなして退散してしまった。
観客はキューバ的な音楽の楽しみ方を知らない。“Manos para arriba~(
両手を上に上げて)!”といわれても手を上げているだけだった。この言葉に腰を回しているのは最前列中では私だけだった。

キューバを理解しない観客に向かっても演奏の勢いは変わらない。

決して手を抜かない。
バルベリータの伸びのある声。
あ~、クスコでこんなハイレベルの音楽が聴けるなんて!!

Mi Cuerpo, Por telefono,などのペルーでのヒット曲が続く、友達が消え、一人盛りあがる私のワキには気が続くとカホンの先生(過去日記カホネーラへの道参照)とその仲間のキューバ人ピアニストがいた。
心強い・・キューバ音楽がわかる3人がそろった。

なんか頭がくらくらする。私ってテンション上がりすぎ・・・。
どうしてこのグループはこんなにテンションあがっても平気な顔で演奏できるんだ?ここは3400メートル近い高地だぞ?高山病にならないか?そんなガンバって演奏して・・。

高地慣れした私のほうが倒れそう・・。

一緒に来た友達は先に帰るから~といいにきた。
あ、そう、じゃあね。私は最後までいるから・・。

コンサート終盤、ボーカルが慣習に舞台に上がることを誘う。カホンの先生にけしかけられて舞台へ・・思わず、キューバ仕込の腰まわし・・。
“Esta Chinita, como mueve la cadera(このチニータ、なんて腰が動くんだ)”

コンサートが終わる・・アンコールはなかった。
速やかにバンドが引き上げる。
でも私は満足だった。
VIPルームに入っていこうとするメンバーを携帯カメラで待ち構えて、なんとか黒人のパーカッショニストをゲットして写真に一緒に入る。

ミュージシャンの友達に頼んでコートを出してもらう。
カホンの先生とキューバ人ピアニストそして彼らと同じグループのメンバーと一緒に外に出る。クスコの深夜の冷え込みは厳しいけど、まだ体に熱さが残っていた。

「Chevere fue, no?(よかったねぇ~)」

と私が声を掛ける。

カホンの先生が答える
「なにいってんだよ。あんなのたいしたことないよ。チャランガ・アバネラのティンバレスなんてもっとアグレッシブなんだからな」
「チャランガが来たら俺は絶対コンサートに行くぞ!」

強がりながらも、満足感が伝わっていた。
明日仕事がある私は早々と徒歩で帰宅した。
午前3時に床についてもなかなか寝付けなかった。まだ興奮が残っている。
寝付けないのがいやな感じでなく、どこかさわやかな気分が残っていた。

9時まで寝ようと思っていたのに7時前に目を覚ましてしまう。

翌日、寝不足で疲れているにもかかわらず体と心に興奮が残った。Dan Denにエネルギーを注入されたようで一日幸せな気分でいられた
クスコの盆地の乾いた空気の中で暑い、ハバナの浜風を思い出しながら・・。

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でもやっぱり私はチャランガ・アバネラ!

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Last updated  2007.08.30 14:13:58
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