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テーマ:日本的なるもの(437)
カテゴリ:陽明学
一 来書略。具足〔ぐそく〕のあ(合)わせめ(目)は、右を上にいたし候。 具足屋に尋ね候えば、古来仕来〔しきた〕り候えども、其の故を知らずと申し候。 返書略。一たび戎衣〔じゅうい〕して天下大いに定まると、書経に見え候。 甲冑は戎狄〔じゅうてき〕の衣服にかたどれり。 南・西・北の人は、衣服左まえにして袖なし。 又戎は兵なり。戎衣はつわものの服という義にして候わんや。 兵服の初めは、戎服にかたどりて戎衣と名付〔なづ〕く。 是〔これ〕によりて戎字〔じゅうのじ〕をつわものとよませるたるにや。 ゑびすの服、つわものの服、両義の中〔うち〕、左まえと袖なきとにより候えば、 ゑびすの服の義、初めたるべく候や。 中国の人も甲冑したる体〔てい〕は戎狄の形に似候。 戎衣なるが故に右をうえにするにて有る可くと存じ候。 むかし、日本の鎧には、袖といいて別にかたに付け候。 是は、矢をふせがんため、たて(楯)に用いたるものに候。 近世は、鉄砲わたりて、袖のたて益うすく候故に、次第に用いず候。 異国の甲冑には本〔もと〕よりなきものに候なり。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017年08月26日 07時14分35秒
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