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2017年11月09日
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カテゴリ:陽明学
 
一 来書略。陽気(※上調子)に我意〔ガイ〕なる者は、
軍陣にてよからぬと申す説候。
又利害かしこき者は、武篇〔ぶへん〕鈍きと申し候。
強弱の見様〔みよう〕ある事にて候や。
 
 返書略。加藤左馬助のの給える由にて承り候。
「諸士の武篇に目利〔めきき〕あり。
ただ理直〔りちぎ〕なる者大かた武篇よきと心得るべし」と。
又越後の景虎のの給いしは、
「武篇のはたらきは武士の常なり。百姓の耕作に同じ。
武士はただ平生の作法よく義理正しきを以って上とす。
武篇のはたらきばかりを以って、知行をおおくあたえ、
人の頭〔かしら〕とすべからず」と。
名将の下には弱兵なき事なれば、
大形〔おおかた〕、士は武篇よき者とおぼしめさるべく候。
陽気に我意なるものとても、臆病なる生まれ付きにてはなし。
ただ習いにて、何心なく其の身にはそれをよしとおぼえての事にて候。
理直なる者にうわ気(※移り気)をしかけぬれば、
常ならぬ事故〔ことゆえ〕、堪忍仕らず候。
其の時におもいかけぬ事にて行きあたり、体〔てい〕見苦しく候。
又分別〔ふんべつ〕だてにて利害おおき者は、常に義理を心がけざる故に、
自然の時、義理をかき候えば、臆病と申し候。
陰極まりて陽を生じ、陽極まりて陰を生ずるなれば、
平生陽気なる者は、陣中にて腹立てなすべき所にもあらず。
弓矢鉄砲の音にて、うかびたる陽気は皆けとられ、
常々臍〔ほぞ〕の本〔もと〕にたくわえたる勇気のたしなみもなければ、
おもいの外〔ほか〕常に我意出〔い〕でざる故、なみなみにても目に立ち申し候。
竜というものは、羽〔はね〕なくて天にのぼるほどの陽気の至極を得たるものにて候えども、
平生は至陰〔しいん〕の水中にわだかまり居〔お〕り候。
是を以って、真実の武勇に心がけある人は、常々の養いをよく仕〔つかまつ〕る事に候。





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Last updated  2017年11月11日 08時14分19秒



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