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2009/06/29(月)15:52

ソニー【6758】の決算・財務分析 1日1分!企業分析 本日の日経注目企業の分析

実践!企業価値評価(190)

■注目した記事(5/15 9面) ソニー TV・ゲーム苦戦続く 最終赤字989億円 今期、営業赤字 縮小見込む ■記事への素朴な疑問 円高や液晶テレビ価格の下落で主力のエレクトロニクス事業が 6000億円悪化し、赤字転落したことが主因のようです。 ゲーム事業の黒字転換を見込んでいたようですが、 実現できなかったようです。 ソニーは様々な事業を抱えていますが、財務構造には どうあらわれているのでしょうか? また、ゲーム事業、主力のエレクトロニクス事業の これまでの損益はどうだったのでしょうか? 以下では、08年度まで直近5年間の当社の財務状況を基に分析します。 ソニーの株価を見る前に~決算・財務分析はこちら ソニーの財務・決算分析 ■P/Lの視点 売上は堅調に推移していますが(08年は8.9兆円規模)、 以下の通り、営業利益・純利益が著しく増減しています。 ●営業利益、  純利益 06年 2300億、 1240億 07年 720億、 1260億 08年 3700億、 3700億 07年は営業利益が1500億円ほど急減しています。 有報でさっと確認すると、要因はゲーム事業で、 07年のPS3導入期の大幅な費用増でした。 (製造コストを下回る価格販売等で原価、販管費が増加) 07年の純利益は、関係会社の投資利益によって支えられたようです。 それでは、全体業績に大きく影響を与えたゲーム事業と、 主力のエレクトロニクス事業の損益状況を見てみましょう。 ■セグメント別の視点 ●ゲーム事業(売上、営業利益率) 07年     1兆、-22.8% 08年   1.28兆、 -9.7% ●エレクトロニクス事業(売上、営業利益率) 07年   6.1兆、 2.6% 08年   6.6兆、 5.4% 個別の指標をみると、07年のゲーム事業の営業利益率の悪化が明確ですね。 エレクトロニクス事業は堅調のようです。 次に、実際のキャッシュの流れを見てみましょう。 ■C/Sの視点 FCFは常にマイナスで、投資額は一定程度に推移しています。 (8000億規模) 営業CFは4000億円~7000億の間で、年によって上下しています。 財務CFは常にプラスで、2000億円~5000億円の間を推移しており、 FCFのマイナス分よりも高くなっています。 大きな借入は行なっておらず、 金融ビジネスによる顧客預り金の増加が大きいためです。 FCFマイナス分を金融ビジネスからの キャッシュ流入で賄っているようですね。 東証の業種では「電気機器」として登録しているソニーですが、 同業他社と比べてCF構造を分けています。 それでは、B/Sを見てみましょう。 ■B/Sの視点 総資産が07年の11.7兆円から、08年には12.6兆円に増加しています。 投資有価証券が3.4兆円から、4兆円にまで増加していることが目立ちます。 また、総資産に占めるその割合は、08年では32%と高くなっています。 投資証券の大きさが、ソニーの関係会社の多さを物語っていますね。 ■まとめ 堅調に売上を上げる中、ゲーム事業による減益があったものの、 主力事業により利益を確保しています(P/Lの視点)。 FCFマイナスですが、金融ビジネスによる財務CFプラスでそれを賄っており、 大きな借入は行なっていません(C/Sの視点)。 投資有価証券の増大が多く、その割合も大きくなっています(B/Sの視点)。 製造コストを下回る価格販売で業績の損失を大きく与えたゲーム事業、 それを賄う堅調なエレクトロニクス事業、 同業他社とキャッシュ構造で大きく差を分ける金融事業、 それらを象徴する多種・多量の関係会社の有価証券と、 様々な顔を持つソニー特徴が、業績・財務状況からも見て取れますね。 09年は主力のエレクトロニクス事業が大きく転落し、最終赤字となりましたが、 今後はその回復と、ゲーム事業投資からの回収に特に注目ですね。 ソニーの株価を見る前に~決算・財務分析はこちら ソニーの財務・決算分析 以上の分析でご不明な点等ございましたら、 是非シェアーズまでご連絡ください。 感想もお待ちしております! support@shares.ne.jp ~業界トップクラスのM&Aのプロが使っている~ 企業価値評価ツールの決定版 バリューマトリクス・スタンダードはこちらから

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