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南仏・プロヴァンスの食卓から 21/11/04~   by ローヌのほとり

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Dec 3, 2004
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金曜日なので、魚を食べる日。フランスでいったいどのくらいのひとが、金曜日に魚を食べるという宗教的習慣をおこなっているのだろうか。イタリアやスペインでも金曜日には魚を食べるのか。プロテスタントの国、ドイツやオランダは、どうなのか。イギリスは?

今日のお昼は、すずきの丸焼き。朝、ママンとセント・セシルの村まで魚を買いに行った。車で売りに来る人がいるのだ。わが村には来ないが、村に一軒だけある食料品店でも、金曜日の朝、魚を仕入れてくるけど、魚の種類が少なく、割高だから、ママンはわざわざセント・セシルまで行くのだ。

すずきは安い方で、キロあたり18ユーロ。だから、2,200円くらいなのか。一匹丸ごと買う。1.5キロくらいだったので、27ユーロ。3,300円。高い! 4人分。ひとり800円ちょっとということ。フランスでは、安いすずきでこんな値段というのは高い。

東京湾のすずきというのもそういえば、高かったような。だんだん捕れなくなって、値段があがったのだろう。高級魚といわれるのも、魚の数が減ったからか。

魚屋でアラももらった。猫たちにやるのだ。といっても私が煮て、大きな骨はとってやる。ここの猫たちは、魚はあんまり食べなれていないらしく、骨をつまらせて大騒ぎになるからだ(笑)。

すずきはフランス語では、BAR(バール) あるいは LOUP(ルー)、英語で SEA BASS(シー・バス)というのだ。地中海では今でもたくさん捕れる魚らしい。

すずきは、買う時、魚屋がひれとアラを取ってくれたので、丸ごとを耐熱ガラスに入れ、ジャガイモをたくさん、玉ねぎ、ニンニク少々を魚の上にのせ、腹の部分に、レモンの輪切りとフヌイユ(フェンネル)、水1カップを加え、オーブンに入れ、強火で45分焼く。ふつうは、白ワインを加えるのだけど、ママンは、あとで、胃がもたれるから、水にすると言っていた。

前菜は、アンショワ(小イワシ)のスパゲッティー。といってもパパとわたし。アンショワが嫌いなMとママンは、ロックフォーと生クリームのスパゲッティー。これはゆうべの残り。

すずきは、テーブルでMが切り分けた。わたしは片面の下半分、腹の部分。脂肪があっておいしい。パパはその上半分、背のほう。肉厚でさっぱりしている。ジャガイモが、とろりとしていて、レモン、フヌイユの味と香りがなじんで、美味じゃ~~~という感歎のため息!!! これは全員から! 特にMとわたし(笑)。 結局、魚大好き!なわたしが、頭(かしら)の部分の身も平らげて(あきれて見ているママンを尻目に)、今日のお昼のすずきとジャガイモのオーブン焼きは、すべてなくなった。猫たちには、頭(かしら)の残骸と背骨しか残らなかった(苦笑)。

日本では、猫には、魚の骨!という連想が成り立つが、我が家では、猫に魚の骨をやっても食べないか、つまらせて大騒ぎ。身の部分をやれば、もちろん大喜びで食べる。

すずきのあとは、チーズ。デザートは、ヨーグルトと、きのう、村のブランジェリー(パン屋)で買ったトロペジアン。村のは、おいしくないんだけど、きのうはセント・セシルまで行けなかったのでしかたがない。トロペジアンというのは、丸いお菓子というか、ケーキなのかも。中に、レモンの味がする生クリームが入っていて、表面は砂糖がかかっている。店によって、砂糖の粉だったり、ザラメだったりするが、村のは、ザラメ。サン・トロペというコートダジュールの有名な村で昔、作り出されたのでこの名になったと聞いた。

カンヌに近い、サントロペは、何でもない漁村だったが、ココ・シャネルに気に入られ、そのうち、パリの芸能人や金持ちが増えて、今では、パパラッチィたちが年中うろつき回って、シャッターチャンスをねらっているような海辺のまち。2回ほど行ったが、場所によっては、フェラーリやポルシェ、ベンツ、ジャガーなどの高級車がずらずら停まっている、ちょっとギラギラしたところ。夜の六本木のような雰囲気がある(笑)。

でも、このお菓子、トロペジアンは、サン・トロペが素朴で健康的な漁村だった頃を彷彿とさせる味。真っ青な地中海の開放的な香りと、風にまじるレモンの香りがする、というのは大げさか。

ゆうべは、色々な野菜で作った熱々のスープだった。ブイヨン(だし)は、ソシス・ド・メナジェ(大きいソーセージ)と豚のすね肉骨付き(足首から上、ヒザから下) Jarret de Porc ジャレ・ド・ポーク、で作った。野菜は、キャベツ、ジャガイモ、ニンジン、赤インゲン豆、セロリ、ポアロ(長ネギ)、ニンニク少々。野菜はミキサーで潰さないでそのまま。塩味。ママンに聞いたら、ポークのジャレは400gで6ユーロ(720円くらい)。1番高いジャレは仔牛のだそう。材料はすべてまとめて、塩・コショウを足して、ココット(圧力鍋)に入れて、50分煮込む。簡単料理。

初めに、野菜スープをいただく。熱々。フランス人は猫舌なはずなのに、我が家ではけっこう熱いものを食べる。わたしは日本では猫舌に属す。こちら、フランスのひとは、もっと猫舌。だから、レストランで、このスープぬるいぞ!と思うことがある。

次に、Mとわたしは山盛りのグリーンサラダをいただいた。これはわたしが作った。ニンニクをひとかけら、ミニおろし金で摩り下ろして、セレXERESというスペインのマイルドなワインビネガーとオリーブオイルとマヨネーズ、塩・コショウ少々をいれてよく混ぜ、食べる直前にレタスと混ぜた。マヨネーズの替わりに、ディジョン・マスタードの時もある。

それから、M以外は、皿に盛った、↑ ジャレ(豚のすね肉)とソシスをいただく。ジャレは皮の部分も厚く、たっぷりあるけど、煮込んであるので、とろりとやわらかくなっている。脂身はほとんどない。コラーゲンがいっぱいでお肌によさそう(笑)。パパはこれにディジョンマスタードをつけて食べた。わたしはちょっと塩・コショウを振ってそのままいただく。ソシスはそのまま。どちらもおいしい!特に、ジャレの皮はとろとろでおいしい。

Mは、アントレコート(肩の上の背中部分)のビフテキ。焼き具合はブルー。血が滴っていた(笑)。

チーズを食べて、デザート。なんとゆうべは、ママンが作ったリンゴの丸焼き。リンゴの芯をくりぬいて、カネル(シナモン)の粉を振って、オーブンに入れて、焼くだけの簡単なもの。まだあったかくて、カネルとリンゴの香りが、香ばしい。リンゴは甘くてやわらかくおいしかった。パパとわたしは、皮まで食べてしまった。やっぱり手作りデザートはおいしいなあ、と思った。

これで今日の日記はおしまい。最後まで読んでくださった方、ありがとう。ではまた、明日。ごきげんよう!





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Last updated  Dec 4, 2004 12:55:47 AM
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