人は何のために山に登るのか。
高千穂峰(たかちほのみね)に登った。高千穂峰は、宮崎県と鹿児島県の県境に位置する複合火山。標高は1,573 mで、霧島連峰の第二峰である。典型的な成層火山であり、西部に活火山である御鉢(おはち)、東部に二ツ石の寄生火山を従えた美しい山容を示し、霧島屋久国立公園に属する。 3年前の新燃岳の噴火により、しばらくは、入山が許可されなかった。入山が許可され、遠足で登れるようになったが、生徒の安全を考え、一度職員が体験した方がいいだろうということで、下見として山に登った。 噴火する前の山を知らないので、新燃岳の火山灰や火山礫が、山の色や風景をどの位変わってしまったのか、理解出来なかった。 山に登るのが、噴火前に比べたら、火山灰や火山礫の影響により、登りづらくなっているのは聞いていた。それを、体験するのも今回の目的でもあった。 山には、火山灰はほとんどなく、火山礫の量が多く、一番深いところでは、足首までうまってしまった。靴の中には、その火山礫が常に入ってきた。登山者の話しによると、以前に比べたら、登るのに倍ぐらい疲れると言っていた。 1時間30分かかって、何とか山頂についた。山頂には、天逆鉾が祭られている。 天逆鉾(あめのさかほこ、あまのさかほこ)は、日本の中世神話に登場する矛である。一般的に記紀に登場する天沼矛の別名とされているが、その位置付けや性質は異なっている。中世神話上では、金剛宝杵(こんごうほうしょ)、天魔反戈(あまのまがえしのほこ)ともいう。宮崎県高原町の霊峰高千穂峰の山頂に突き立てられている。山頂部は、霧島東神社の飛び地境内であり、天逆鉾は同社の社宝である。 天逆鉾を見るのが、夢リストの一つであったので、山頂について見れたときには、とても嬉しかった。天気も雲一つ無く、桜島の向こうには、開聞岳も見ることができた。風は、秋の風で、少し冷たかったが、気持ちはよかった。山頂で食べるおにぎりは美味しかった。 山に登るのに、楽に登る事はない。どんなに苦しくても険しくても、一歩一歩確実に前に進めば、必ず頂上に立てる。やがて、苦しかったこともつらかったことも、山頂に着いた時には、素敵な思い出になる。そして、また、登りたくなるのだ。 人生の山も同じだ。苦しいこともつらいことも経験することが無ければ、山頂に立つことはできない。 山は、いつでも、教えてくれる。 自分の人生のすべての経験は、いい日のためにあることを。