「カーネーション」~人生は楽しく働く素敵な場所~
最近、朝ドラが絶好調だそうです。http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20121008-00001007-davinci-ent&1349648400ドラマが不調なのに、「梅ちゃん先生」は平均視聴率20%越え!そして、確かにこのドラマすごく面白かったけど、この「梅ちゃん先生」の成功を支えていたのは「ゲゲゲの女房」や「カーネーション」という秀作を送りだしたことによって朝ドラに関する「絶対的な信頼度」が増したからだと思います。つまり朝ドラは必ず面白いのだ、学ぶところがある、こんな信用が朝の15分という重要な時間をTVに捧げるきっかけになっているです。私は「梅ちゃん先生」の途中でTVが壊れてしまったため、残念ながら残りはDVDで観る予定。でも、「ゲゲゲの女房」と「カーネーション」は両方観ました。どちらも素晴らしかったけど、特に「カーネーション」は朝ドラ史上最高傑作と言われているので今日は「カーネーション」の感想を書きます。まず主人公は世界的に成功しているデザイナーコシノ三姉妹のお母様コシノアヤコさんがモデルです。ドラマでは小原糸子という名前でした。私が観だしたきっかけも、子供をそろって成功させたお母さんってどんな人なんだろうという興味からでした。でも、このドラマは子育てのエピソードよりもコシノアヤコさん、そのものの魅力を語るのに時間の多くを割いていて特別に教育ママなんかにならなくても自分が輝いて何かを一生懸命にやっていればその姿を子供は自然に見て育ち、子供たちもまた輝いていくのだということを教えてくれます。小原糸子を演じる尾野真千子さんもダイナミックな主人公を体当たりで演じてくれ毎日が共感の連続でした。このドラマ、何がいいって、好きなものに打ち込む姿です。ミシンに取りつかれた糸子はミシンを見るのに何時間もパッチ屋の前で立ち尽くします。その熱意におされて、パッチ屋で働けるようになり女学校も辞めて、洋裁修行に励むことに…そして、その熱意は自身の手でドレスをデザインし、作るところまで来ていたけれど、自身の店を開業するのは他人の店を自らの手で繁盛させてからという父親の指令のために、糸子はさまざまな工夫を凝らします。まず生地屋で働き、採寸をしてから生地を切るのではなく着たまま生地を切るというアィデアでお客さんを満足させたり、紳士服の店でドレスを作る等、自らが働いている店をそれぞれ繁盛させてきました。どんな困難や難題が降りかかってきても好きなもののためには、まっしぐら。戦争中だって、持っている着物をモンペに直してまた、戻して着る方法なんてことを考えて、講座を開いたりします。そう、糸子は決して時代や環境のせいにせず、常に目の前にある最善のことを選び取ろうとします。その姿が毎日、仕事や家庭の問題で疲れている人々に多くの勇気を与えてくれたのだと思います。ダメだと思っているヒマがあったら、糸ちゃん見習って頑張ろうよと。そして、人が何かにつき進んでいる姿は美しいのだと誰もが明日、ひとつ強くなる自分を探したくなるのでしょう。それから、主人公の魅力以外に、構成や脚本の力もすごかったです。私が1番、心に残っているのは主人公の幼馴染が戦争で傷ついて帰って来て、廃人状態になるのですがその心の深い傷の原因は幼馴染が生きているうちは全く明かされませんでした。でも、随分、後になって、幼馴染の母親が言うのです。戦争中には明かされなかった戦時中の他国での日本兵の行動が明かされるうちに「息子は誰かに何かをされたからおかしくなったと思っていたけど、逆にした方だったのかもしれないね…」と。明るかった幼馴染の廃人状態に毎日、視聴者はハラハラし原因を知りたかったはず。でも、ずっと明かされず随分経ってからの上記の母親の言葉で視聴者はやっと原因をうすうす気づくことになるのです。飛び降り自殺をしようとした時や、戦死した時にすぐ明かされるのではなく、随分、時が経ってから疑問が解明されたことでより強いインパクトになり、私たち視聴者に戦争がしてきたこと・もたらしたものの恐ろしさを静かに、そして、明確に教えてくれました。すぐに説明を施す最近の民放の連ドラマと違って長い期間をかけて描かれ、視聴者がともに生きていく時間を重ねる朝ドラは長期的視点で脚本を書いているだけあって、ほんとに深いなあ~と。そして、怒りは大きな声で語られるより静かに時間をかけて伝えられる方が人に伝わるのだということもわかりました。それから、このドラマでは、恋愛に興味なく結婚も言われるがままにしてしまい、仕事人間だった、糸子が不倫をしてしまうということが描かれていました。この相手役の綾野剛さんとは「Mother」では、今をときめく芦田真菜ちゃんを二人で虐待してたんですよね…^_^;でも、綾野さんとのシーンはこのドラマではどれも素敵で仕事人間の人が恋をした時のかわいらしさもすごく魅力的に描かれていました。そして、後日、TV番組でコシノヒロコさんが出ておられそういった恋がほんとにあって、親族会議が開かれ母親の不倫をかばったというようなこともおっしゃられていたので余計に共感できました。そういえば、このドラマの最終回目前に、不倫相手の娘と再会するシーンがあったのだけど、その時も何か語るわけではなく主人公は泣き続け、長い年月、封印した想いを抱え続けていた主人公の苦しみもその涙だけで見事に表現されていました。あと、好きだったキャラクターは糸子の夫と三女聡子でした。「いつでも上機嫌」というキャラだったんだけど、これって人として、1番大切なことだな~とこの二人のいつでもほのぼのとした態度にも癒されました。こんなふうに見どころが満載!人生に悩む人も、明日、何かを頑張りたくなるとっても素敵なドラマなので、是非、観てみてください(@^^)/~~~このドラマを見ると、人生は怖いものではなく楽しみなものだということがきっとわかると思います(*^_^*)【送料無料選択可!】カーネーション 連続テレビ小説 (NHKドラマ・ガイド) (単行本・ムック) / 渡辺あや/作 NHK出版/編 NHKドラマ制作班