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カテゴリ:自己完結恋愛日記
もうすこししたら、一年でクリスマスに次ぐ凹む日、バレンタイン・デーがくる。どうも、この日だけは、いらいらが抑えられなくなってくる。
中学から高校にかけては、なんだかどきどきした日だったが、もうあまりにチョコレートをもらえないので、どうでもよくなってきた。 高校時代は、昼休憩に友人の靴にチョコレートに見せかけ、ドロをいれに行った。それから笑いをこらえながら帰った教室では、僕以外の男全員がチョコレートを食べながら、女の子と騒いでいた。ふん、いいさ別に、宿命さ。 だから、おととい、僕らの北ケーブルで放送する番組「チカシク」にでてもらった可愛らしい女優さんに、チョコレートをいただいたときは、本当に泣きそうになるほど嬉しかった。そのときは、気を失いかけたが精神力でなんとか生きていられた。 さて、そのとき僕は 「今まで、親以外にチョコレートをもらった事はない。」 といった。(親にもらうのも、どうかと思うが、あまりにももらえない僕を不憫に思い、親がくれていたのであった。悲しい。) だが、その言葉は、実は嘘なのである。 小学校の六年生の時だった。 ある女の子がいた。二年間なぜか、席がいつもとなりだった女の子。どんな占いをしても90%以上がでてしまうという、計算上は相性のいい女の子だった。おかっぱ頭で、目は細く、なんだかかわいい子だった。目はいつも輝いて、読書好きな真面目な女の子であった。 もちろん、この僕はだんだんとその子に惹かれていったことはお分かりだろう。 運動会や、いろんな行事でも隣になるのはその女の子だった。当然、その女の子も僕に気があることだろうと思っていた。 小学校六年のバレンタイン・デーの放課後のこと。僕は、とても嬉しかった。なぜなら、その女の子からチョコレートをもらったからである。 そのときのうれしさといったら、今まで生きてきた中で、ベスト5にあげられるほどである。もちろん、その日の夜から一週間ほど、どきどきしてねむることができなかった。 その子の顔を見る度に、学校の窓が割れてしまうくらい大声で叫びたくなった。 そして、3月14日(だったっけ?もう日にちも忘れてしまったが…)ホワイト・デーの日。 僕は、もちろん、返すホワイトチョコレートを用意し学校で、彼女に渡すチャンスをうかがっていた。 昼休憩。そのチャンスはやってきた。僕は、親友と、友人三人とその女の子だけしかいない教室で、すばやくそれを彼女の前に出して渡した。渡せてよかった。 だが、悪夢はそこから始まる。 親友がこういった。 「何それ?」 僕は親友に、胸を弾ませこういった。 「バレンタインのお返しのお菓子だけど…」 親友は、 「ああ、福井君ももらったのか!」 親友はその女の子にこういった。 「俺さ、全部食べ切れなかったんだ。だって、こんな大きいチョコレートだよ。大きすぎるよ。なあ福井君。」 僕はその親友に目もあわせられなかった。なぜなら、親友が手で示すチョコレートの大きさは、僕のもらったチョコの数倍、いや数十倍の大きさだったからである。もちろん、僕のチョコレートは、義理中の義理の大きさだったのだろうと思うが、そのときの興奮と感動から、自分で勝手に本命だとばかり勘違いしていたのであった。 もちろん、その女の子の本当に気にかけていたのは、僕の親友だった。なんだか、一ヶ月の緊張と興奮が嘘のように、消えた。残ったのは、親友と周りの目による恥ずかしさだけだった。親友以外の周りの皆は、僕の空気を察知しているのであるからたまったものではない。僕は、そのあと冷静さを装い、本を読むそぶりをして、引きつった顔をかくしていた。聞こえる声は親友の一言 「俺、全然返しなんて用意してないけど…。」 その女の子と、それ以来、目もあわせられなくなった。中学から全く違うクラスになって話もしなくなった。 バレンタイン・デーは本当にこりごりだ。 こうしてまた、僕の片思いは自己完結で終わったのであった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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