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2006年09月29日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
あれから1年が経とうとしている。その知らせを聞いたのは出張先のホテルだった。
たった一人の妹が逝った。まだ47才。子供も就職しこれからが自分のための人生だったのに。
彼岸花が咲く今日この頃、庭の金木犀の小さな花々から甘いにおいが漂ってくる。
妹が二十歳の頃だっただろうか、彼女は堀内孝雄の「君の瞳は10000ボルト」が好きでよく聞いていた。その歌詞に金木犀の一節があり、嫁に行ってからも毎年庭の金木犀の花が咲くとこの歌と当時の妹の姿が重なり合うように頭に浮かんでいた。
亡くなる一週間前から危ないと言われていたが、私には到底「死」など連想に無く、悪いながらも養生を続けていくものと思っていたし、彼女自身「死」の思いは最後まで無かったと私は思っている。
折も折、再び庭の金木犀の香りが漂う季節となり、やっと文章を書く気持ちになった。
一人っ子ではかわいそうと医者の反対を押し切って、多くの皆さんの暖かい血液をいただき二人目の子を産み、社会人にまで育て上げた。妹だから言うわけではないが、長いこと血の病気と闘ってきたけど、それを感じさせない生き様だったし、意志の人だった。兄が軽い分だけ重荷を背負って生まれてきたと思えてならない。
お墓に行ってもいまだに亡くなった気がしないけど、秋の夜長はこの歳になって妹を失い一人になった寂しさがつのってくる。どうしようもないが、妹の分身二人を見守っていくばかりだ。





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最終更新日  2006年09月29日 13時53分15秒
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