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私の人生は思い切りばかりの人生です。今度は大工のように力仕事でない旅行会社をやろうと思ったのです。日本から来る旅行者のバスでのツアーガイドになりました。「皆さん、右手をご覧下さい、あれが野茂投手がアメリカへ来て第一球をなげた3M球場でございます」となんか言えるかいな。「皆さん、右を見ておくんなはれ、あれが、野茂さんがアメリカへ来て、初めに球を投げた球場やねん、球場の名前、忘れてもうた、後で言いまっさ、居眠りせんとしっかり見とくんなはれや」こんな調子のバスガイドでした。朝は5時、6時から飛行場へ行って、日本のけちけち団体様、ペケペケ団体様の立て札を持って、空港内を走り回り、足が痛とうてたまらん、大工仕事よりもえらいがな。それで1日の日当が、3千円あるかないかや。レストランの皿洗いの日当よりも安いがな。、私の借りていた家の家賃が一月20万円や、これでは、飯も食うていけん。すぐに止めました。私はアカンと思ったらすぐに、諦めます。思い切りの早い男です。今度は、日本食料品、醤油、味の素、ラーメンの配達屋をサンフランシスコ近辺の日本人相手に始めました。日本航空の機内食を造っているところから寿司も仕入れて売リました。テレビでのコマーシャルも出しましたん。2秒か3秒で9千円。でもぜんぜん、儲からん、これもすぐに止めました。サンフランシスコはアメリカ人が一番旅行で行きたい異国情緒豊かな町らしいけど、住むには最低や。家が少ない、家賃が高い、おまけに家の造りがちゃちや。犬でもおったら、もう家を借りるのは不可能に近い。まだ足が痛いねん、治らん。もうシアトルの家を売った金が底をついてきた。足が痛いから働けない、金は減っていく、どないしよう。こんな家賃の高いサンフランシスコには住めない。もう定職がないから、いくつアパートを回ってもアパートを貸してくれん。難儀やのう。もう、住むところがないがな。嫁はんに日本へ逃げようと相談したら、反対しよる。一かばちかで決めたんが、井戸を掘ることでした。人間水があったら、何とか生きられる。20年前に750万円で買った、山の砂漠と呼ばれる今の3万4千坪の土地があったのです。まだ、井戸を掘る金と少しの生きる伸びる金がありました。思い切って、井戸を掘らせました。なんと命の水が命の水が75万円で53メートルの深さから湧き上がってきました。10万円でおんぼろのキャンピングカーを買って住み始めました。今度は足の痛さをこらえながら、ロスやサンフランシスコへ泊り込みで行って、障子や、茶室を造りました。そして合間に、家も建て始めました。とうとう無理が祟った。4年前に、両足の膝が像の足のように腫れてもう仕事ができなくなりました。勇気を出して20数年ぶりに医者へ行ったら、血圧213、痛風、心臓肥大、関節炎、即強制入院させられました。建築中の家も、骨組みと屋根だけで終わりや。これで、ワイの人生終わりや。死ぬ事が頭から離れよれへん、ところが人間は死のうと思ったらなかなか死ねない、そのうちに考えが変わってきよる。喜界島のウヤフジは私をまた助けてくれた。カウンティーから土地の査定に来た人が身体障害者の申請を勧めてくれました。それで、ようやく、病院代も、薬もただになり、9万8千円の障害者年金で嫁はんと二人生きることができた。10万円のキャンピングカーのお陰で、家賃を払う必要がなかったからできたのです。死なないでよかった。
またもりもり、ファイトが沸いてきました、「大工仕事ができん身体になっても諦めたらあかんねんや」。窓のない、壁のない、骨組みだけの家の中にベッドを置いて、今度はこの大工は文章の書き方の稽古をした。ためしにエッセイを書いて、ロス、サンフランシスコ、シアトルの日本語新聞のエッセイコンクールに8つのエッセイを応募したら、なんと一度に5つも入賞したもうた。5勝3敗や。この大工が書いたエッセイがよ。この重たいフリムン徳さんが薄っぺらの新聞に載ったがな。シアトルの新聞には1位と佳作のダブル入賞や。これはえらいことでっしぇー。これらのエッセイをまとめて、東京にいる喜界島の同級生や、大阪の妹夫婦が金を出しあって文芸社から本を出してくれた、その本の名前がなんと「フリムン徳さんの波瀾万丈記」。また私はフリムンに戻ったのです。やはりウヤフジは私をフリムンにしたかったのです。私は、家が完成する前に、本が完成してもうた。9万8千円の年金生活では、人も雇えない、今度はもう重たいものももてない、力もない、頭を使って家を建てるしかない。ちょっとづつ、金を貯めて、材料を買い、人を使わないで、力を使わないで、頭をつかって頑張りました。溝を掘るのも、椅子に座って、簡単に掘りマシたんや。ホースの水の水圧で掘りマシたんや。それから、あの畳より大きくて重たい、アメリカ人でも二人係りで張る防火用の壁板、天井板も一人で簡単に天井にはりましたんや。天井に貼り付ける、機械をアメリカ人の友達と二人で作りました、蜘蛛みたいに引っ付くから、名付けてスパイダーマン。とうとう、8年で完成してもうた。建築検査官にに8年かかってえらいすんまへんでしたといったら、いや10年だと言われました。この家にかけた材料費が350万円、この350万円と言う金は私は元気な時でも貯金できなかったと思います。飲み代にいっていたと思います。ちょっとずつ、ちょっとずつ材料を買ったからできたと思います。この前火災保険屋に査定してもらったら2990万円。350万円が2990万円になったのです。よう考えてみたら、私は倒れて身体障害者になってから、9万8千円の年金生活をしながら、本も書き、家も建てた。少しづつやる、少しづつ貯めるは大きなこともできます。もし私が健康であったも、このどっちもできなかったと思います。人間はどんな境遇になっても、自分のおかれた立場で、頭を使って、深く考えて、自分のできることを、諦めずに少しずつ頑張れば、できると思いました。死んだらあかんねん、私の本の副題「やりたいねん諦めたらアカンねん」です。 これだけ、職業を変え、国を変えて63年間生きてきたフリムン徳さんの人生の最大の収穫は何か?それは、金儲けでも人に勝つことでもおまへんでした。社長さんになることでもおまへんでした。世渡りするには「人に好かれることがいかに大事か」といことでした。人に好かれることでした。小さい頃、虐めをし、虐めにあったから、どの国へ行っても、どこへいっても何をしても人に好かれるようにつとめました。そして人に好かれる人間関係心理学もいっぱい勉強しました。アメリカで生まれた長男の名前もアメリカの教育心理学者の名前を取ってデールとつけました。人に好かれたら、何事でもうまくいくと思います。楽しいです。幸福への近道でもありそうに思いました。このフリムンの私にはそう思えたのです。フリムンがこんなえらそうなことゆうてえらいすんまへん。また調子に乗っています。難儀な男です。堪忍してください。 人に好かれる条件をいろいろ勉強しましたら、人を誉める、人の話を親身になって聞く、この二つが一番効果があるようです。心理学者の本にもそう書いています。人に好かれるにも柔道、空手のように長い修行がいるように思います。私はたくさんの職業を変えているうちに、長い間たくさんのお客さん相手をするうちにお客さんをを誉めたり、お客さんの話をよく聞いたり、することが自然にできるようになりました。だから私は、人と眼が会うと、「よっしゃ、この人に好かれてやろう」と思うようになりました。ところが、別嬪さんと目が会うと「よっしゃ、この女を口説いたろう」とスケベーにもなりました。難儀な男です。毎日が人に好かれる修行みたいなもんでした。ではどうしたら人に好かれるか、このフリムンが考えたことは、それはフリムンになることです。賢こうなってはあきまへん。知っていてもフリムンになって、私は何も知りまへん、教えてくおくんなはれ、と人の話をよく聞きました。そして、誉め殺しではありませんが、誉め倒すのです。しまユミタデゆうたら、ホゥミトウシです。人は誉められたら気持のいいものです。自分は相手より顔も悪い、金もない、学歴もない、地位もない、賢くもないとフリムンになって誉め倒すことです。フリムンになることが人に好かれる一番の近道やと思います。フリムン、フリムン、フリムンになって人に好かれる一番近道を行くのです。フリムンソングでもそう歌いました。そしてフリムンは我が道をいくのです。 ところで皆さん。私も63歳になりました。このフリムン徳さんには人生最後の夢がまだひとつおます。私の本も第4版が増刷されそうです。私はフリムン徳さんの波瀾万上記をベストセラーにするのが人生最後の夢です。この夢を実現しないと死ねまへん。死じ、死がラー。この本には喜界島のことがいっぱい書いてあります。本が売れるということは、喜界島を多くの人に知ってもらえるということです。これは島興しの助けになると考えているのです。私はアメリカから喜界島を有名にしたいのです。ワノー、アメリカから喜界島よば、いっぱい有名にシーブサ!!皆さん、ベストセラーにするために皆さんの知恵が欲しいです。フリムン徳さんの波瀾万丈記に皆さんの清き御1票をお願いします。 今回は皆さんの好意に甘えて23年ぶりにアメリカから日本に戻ることが出来ました。そして、皆さんと会えることが出来て、また、スピーチまでさせてもらって、こんな嬉しいことはありません。フォーラサ、ツヅカラー。これも皆さんのお陰、ウヤフジのお陰です。東京奄美会の皆さん、東京喜界会の皆さん、東京小野津会の皆さん、同級生の皆さん、応援団の皆さん、ファロージーの皆さん、ここにおる皆さん、ホンマに、おおきに、ありがとうございます。あいがとうさま、あいがとうさまどー。ビッタイグリーさせてもらいます。 フリムン徳さん お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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